乙女ゲームのヒロインだからってヒロインらしく攻略すると思うなよ!!

汚いモノより綺麗なモノが好きだ。

二目と見れない醜男と二目と見ることが出来ないイケメンならイケメンの方がいい。

刺激のない日常なら刺激のある非日常なら非日常を覗きたい…それは誰もが思う〝刺激〟だろう。

ごくあり触れた日常にほんの僅かな“スパイス”。

…その点では“乙女ゲーム”は正に女子の理想そのものだろう。

仮想の世界で美形に囲まれ、その中で一人を選ぶ──そんな夢のような娯楽。

手軽に遊べて飽きたら中古屋に売却。

特にキャラ萌えもなければ腐…な友人のような趣味もない私にとっては乙女ゲームとはそう言った存在だった。

“飽き性”とも言う。

ごくごく普通の家庭の下に生まれごくごく普通に成人、そして──幼馴染みの男の子と結婚。
そんな“ありふれた幸福”こそが地味ながらも自分ではかわいい顔をしていると自負している私…そんな彼との夫婦生活はごくごく普通の家庭を築いた。
刺激もなければ、劇的な出会いもない…ただただごく普通の家族に看取られ──ん?んん??

違う…私に“家族”がーー、双子の息子二人と娘が一人居た。
だけれど───…私…私は……、



ああ、そうか…──私はコ○ナ感染で死んだんだ。

あの男…電車内でマスクもせずゴホゴホ咳しながら笑っていたあの男に──私は夫共々感染して……そして、そしてーー。

幼い子供達を残して死んだんだ…病院のベッドで。

最期は呆気なく、誰にも看取られず──そんな寂しい生涯だった。
…………。
……。


「…へ?この顔…髪色──どうみても『恋のフォーチュンクッキー☆7人の射手』のヒロイン(主人公)、メイア・ランスフォードじゃない…っ!?」
高くなく低くもない可愛らしい幼女の声──…ああ、間違いない!
心なしか記憶の中のヒロインよりやや高めなのは“まだ”子供だからだろう。
……。
…ぼんやりしていたら、いつの間にか「私」はメイア・ランスフォードとして転生していた。
理解はーー、した。うん。
こんな明るいピンク髪に空色の瞳の女の子は現代日本にはいない。…いや、ウィッグとカラコンがあれば居るには居るだろうが──それでも朝からカラコンを着ける人はレイヤーでもいないと思うが。

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