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お花畑のリーリエ様⑦
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楽しい避暑地での生活はすぐに終わったわ。
お父様ったら『すぐに帰ってきなさい!』なんて意地悪を言うのよ。
ま、でも、シエルがライナのエスコートが出来なかったからそれだけでも良かったのかも。
二人が手を取り合ってダンスを踊っているなんて許せないわ。
お父様は、わたしの顔を見ると厳しい顔つきで言われた。
「このままでは進級出来なくなる。学校にも通っていないし試験もほぼサボっていると聞いた。さらに宿題すら提出していないと校長先生から呼ばれて話をされた。このままでは退学だそうだ」
「お父様……わたし体調が良くなくて…なかなか学校へ行けないの。それに夜はキツくて宿題も出来ないし……」
いつもの瞳をうるうるさせてお父様のお顔を見つめる。
「はああー、リーリエ、わたしの可愛いリーリエ。いくらそんなに哀しい顔をしても学校はこれ以上どうすることもできないと言われたんだよ。伯爵令嬢が学校を退学になったとなると結婚も難しくなる。
お願いだから少しは勉強をして欲しい。せめて試験だけでも受けないと進級出来ないんだよ」
ーーチッ。
使えないわ、お父様。
勉強なんかしたくないから試験を受けないんじゃない。試験なんて受けたって答えがわかるわけないでしょう?
もう、分かってないんだから!
それからはしばらく真面目に学校へ行き始めた。
しばらく休んでいたおかげで、体調が悪いと心配してくれた男子達が離れていたのにまた近寄ってきた。
「リーリエ様、体調は大丈夫ですか?」
ーーどこも悪くないんだもの。大丈夫に決まっているわ。
「少し顔色が悪いのでは?」
ーーそりゃ無理やり家庭教師を付けられて最近勉強させられているもの。
「お痩せになったんじゃないんですか?」
ーーまあ!レディに体型のことを言うなんて!
痩せるわけないじゃない!ずっと避暑地で美味しいものばかり食べていたのよ!太ったに決まっているわ。
わたしはみんなから心配されるのをニコッと微笑んで「みんなありがとう、心配してくれて嬉しいわ」と小さく聞こえるか聞こえない声で答えた。
おかげでみんながさらに心配してくれて、誰かしらそばに居てくれる。
ふふふ、たまに学校休むのもいいわ。みんながわたしを中心に回ってくれるもの。
やっぱりこれよね。
わたしはか弱いリーリエなのだから。
椅子に座りそんなことを考えていると、たまたまシエルの実家の話が聞こえてきた。
「今度お母様とお茶会に行くのよ」
「あら?わたしも、もしかして騎士様をされているシエル様のご実家の?」
「ええ、そうよ、貴女も?」
「あそこの庭園はとても素敵なんだと聞いているわ」
「わたしもお母様に聞いて連れて行っていただくことにしたの。一つ一つの花の植え方もいかに花を綺麗に見せるのかこだわだているらしいって聞いたわ」
「それにお花も外国から取り寄せて植えているので珍しい花が多いんですって。見応えがあるでしょうね、楽しみだわ。それにシエル様に会えるかもしれないわ。とってもカッコいいと聞いているわ」
「楽しみだわ」
ーーふうん、シエルの家って確か男爵家よね?
なのにそんな素敵な庭園があるのね。
シエルって思った以上に人気があったのね。
お父様ったら『すぐに帰ってきなさい!』なんて意地悪を言うのよ。
ま、でも、シエルがライナのエスコートが出来なかったからそれだけでも良かったのかも。
二人が手を取り合ってダンスを踊っているなんて許せないわ。
お父様は、わたしの顔を見ると厳しい顔つきで言われた。
「このままでは進級出来なくなる。学校にも通っていないし試験もほぼサボっていると聞いた。さらに宿題すら提出していないと校長先生から呼ばれて話をされた。このままでは退学だそうだ」
「お父様……わたし体調が良くなくて…なかなか学校へ行けないの。それに夜はキツくて宿題も出来ないし……」
いつもの瞳をうるうるさせてお父様のお顔を見つめる。
「はああー、リーリエ、わたしの可愛いリーリエ。いくらそんなに哀しい顔をしても学校はこれ以上どうすることもできないと言われたんだよ。伯爵令嬢が学校を退学になったとなると結婚も難しくなる。
お願いだから少しは勉強をして欲しい。せめて試験だけでも受けないと進級出来ないんだよ」
ーーチッ。
使えないわ、お父様。
勉強なんかしたくないから試験を受けないんじゃない。試験なんて受けたって答えがわかるわけないでしょう?
もう、分かってないんだから!
それからはしばらく真面目に学校へ行き始めた。
しばらく休んでいたおかげで、体調が悪いと心配してくれた男子達が離れていたのにまた近寄ってきた。
「リーリエ様、体調は大丈夫ですか?」
ーーどこも悪くないんだもの。大丈夫に決まっているわ。
「少し顔色が悪いのでは?」
ーーそりゃ無理やり家庭教師を付けられて最近勉強させられているもの。
「お痩せになったんじゃないんですか?」
ーーまあ!レディに体型のことを言うなんて!
痩せるわけないじゃない!ずっと避暑地で美味しいものばかり食べていたのよ!太ったに決まっているわ。
わたしはみんなから心配されるのをニコッと微笑んで「みんなありがとう、心配してくれて嬉しいわ」と小さく聞こえるか聞こえない声で答えた。
おかげでみんながさらに心配してくれて、誰かしらそばに居てくれる。
ふふふ、たまに学校休むのもいいわ。みんながわたしを中心に回ってくれるもの。
やっぱりこれよね。
わたしはか弱いリーリエなのだから。
椅子に座りそんなことを考えていると、たまたまシエルの実家の話が聞こえてきた。
「今度お母様とお茶会に行くのよ」
「あら?わたしも、もしかして騎士様をされているシエル様のご実家の?」
「ええ、そうよ、貴女も?」
「あそこの庭園はとても素敵なんだと聞いているわ」
「わたしもお母様に聞いて連れて行っていただくことにしたの。一つ一つの花の植え方もいかに花を綺麗に見せるのかこだわだているらしいって聞いたわ」
「それにお花も外国から取り寄せて植えているので珍しい花が多いんですって。見応えがあるでしょうね、楽しみだわ。それにシエル様に会えるかもしれないわ。とってもカッコいいと聞いているわ」
「楽しみだわ」
ーーふうん、シエルの家って確か男爵家よね?
なのにそんな素敵な庭園があるのね。
シエルって思った以上に人気があったのね。
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