婚約破棄された仲人ですが、紹介先の大公が俺としか見合いをしてくれません
「俺たちの婚約は、ここで終わりにしよう。次の相手への紹介状は、君が書いてくれ」
貴族の縁談を取り次ぐ仲人アンセルは、紹介所の所長である婚約者から、身勝手な別れを告げられた。
結婚相手にはいらない。けれど、仕事も新しい縁談の世話も続けてほしい。
そんな要求に、アンセルが出した答えは退職だった。
独立して歩き始めた彼へ届いたのは、結婚相手を探していた大公エンリケからの私信。
次の候補者を紹介するのかと思えば、大公は紹介の依頼を正式に終え、真っすぐ告げてくる。
「私は、君を口説きたい」
誰かの好みを聞くのは得意なのに、自分の望みを聞かれると、途端に言葉が出てこない。
それでも、小劇場の喜劇に二人で笑い、次は自分から誘いたくなった。
大公の笑顔を率直に褒めれば、今度はあちらの耳まで赤くなって――。
一方、元婚約者はアンセルの名前を使い、承諾のない縁談を進めたつもりでいた。
だが、人の返事を勝手に決めてきた紹介所から、依頼と信用が離れ始める。
他人の恋を取り次いできた男が、自分の幸せを望むまで。
率直で一途な大公×仕事の口調で照れを隠す仲人の、甘く痛快な異世界BL。
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