私は幽霊になりたい。

夏と言えば。

風鈴。
金魚。
坂道。
トンネル。

そして、
幽霊。


僕が暮らすのは東京から電車で数時間離れた田舎町。でも海は綺麗だし、山は澄んでるし、不便利さを苦に思った事はないけれど、彼女に出逢ってからそれらは変わった。


君のせいで、僕は夏が嫌いだった。
夏が来る度思い出すのは君の顔ばかりで、夕焼けのようにずっと瞼の裏に焼き付いている。
真っ白な肌 、長い黒髪、綺麗な顔立ち。そんな、幽霊みたいな女の子。廻島シノ。

君は僕の事を好きだと言ってくれたけれど、僕は君を好きになんてなれなかったし、その思いを裏切る事しか出来なかった。


大人になった今、君のいない卒業写真は僕の首を締めていく。

そんな、夏の物語。




表紙は小説表紙フリー素材からあおはる様のものを使用させて頂いてます。
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