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第1章
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お父様の許可はいただいた。
方法までは教えてもらえなかったが、その内教えてもらえるだろう。
ならば自分がやることは一つ!!
セバスに告白し恋人…ではなく結婚してもら……もらえるかなぁ……
今更ながらかなり不安になってきた。
テティは「いけます!いけますよお嬢様!」と言っていたが本当だろうか?
中身はアラサーだが、見た目だけで言えばピチピチの14歳。
「早く大人になるにはどうしたらいいかしら?」
「お嬢様はそのままで十分です!そのまま、そのままでいて下さいませ!」
それは……無理だろう。
というか何故大人になりたいという質問にその答えなのか。
テティはそのままで良いと言うが、はっきり言って今のままでは彼の隣に立てたとしても親子と間違われるに決まっている。
こんな……こんな絶壁の胸も、幼さが残る顔も何とかしなければ!
ボンキュッボンな大人の女性を目指すのよ!
「やはり大人の女性と言えば黒髪だと思うのだけどどうかしら?」
形から入りたがるのが自分だった。
「ダメです!なんてこと仰るのですか!奥様譲りのその綺麗なプラチナブロンドを染めるなど絶対にお辞め下さい!」
すっごい止められた。
それこそ今にも号泣せんばかりに。
日本にいた頃は髪色を変えるなど当たり前のことだったのだが。
確かに今の髪色はとても綺麗で勿体なくも感じてきた。
「分かったわ。なら胸を大きくして身長を伸ばす方法を教えてちょうだい」
「え?胸…ですか?うーん、身長は牛乳でしょうが胸はなんですかね?」
それを聞いているのだが。
「とりあえず牛乳から……牛乳かぁ」
はっきり言って牛乳はあまり得意ではなかった。
苺牛乳やコーヒー牛乳など何かに混ざっているのならば問題はないのだが、牛乳だけというのは……いや、頑張ると言ったからには頑張らねば!
「あの、でも飲み過ぎもよくないわよね。毎朝コップ一杯から初めてみましょう!」
早速及び腰だった。
あとは何かと考えていればテティがにこにこと笑いながら色とりどりのドレスを持って近づいてくる。
「私そういうのはよく分からなくて……」
前世ではいつもギリギリの生活だったためお洒落をしている余裕などあるわけもなく、あったとしても見せる相手もないほど仕事に追われていた。
可愛い、素敵と思いはするがそれが自分に本当に似合っているのかどうかがいまいち分からないのだ。
アメリアの記憶を参考にしようにも、楽しそうにドレスを選んでいた記憶が全くと言っていいほどない。
「これからです!これから勉強していけばよいのです。お嬢様に似合うものを私も一緒に探してセバスさんに教……いえ、そうですね。まずはお嬢様がお好きな色から探してみましょう」
「?、えぇお願い」
それから数時間、一体そんなにどこから持ってきたのよと言わんばかりに多くのドレスに着せ替えられた。
着せてもらえるため立っているだけでいいので楽ではあるのだが、それも10着を超え始めれば楽しんでなどいられず表情筋が死に始めた。
そしてテティよ、なぜ侍女の数が増えているのか。
当初テティを入れ2人だったはずの侍女が、気付けば6人になっている。
いつの間にやってきたのか。
「やはりどの色もお嬢様にお似合いで迷ってしまいますわ」
「私はこの淡い黄色がいいかと」
「いえ、私はこちらの緑が………」
貴方たちそのお嬢様を置いてきぼりに話し合わないでちょうだい。
「お嬢様、ここはやはりこの青が宜しいかと」
ふとテティが差し出してきたものを見ればセバスの瞳と同じ深い青色のドレスだった。
「これ……」
「ええ。これで想いを伝えては如何でしょうか?セバスさんもこれで落ち……いえ、お嬢様に魅了されることでしょう」
いいのだろうか?
まだ想いも伝えてないのに。
「き、気持ち悪いとか思われないかしら?」
ませたガキだと思われたりしないだろうか?
何故自分の色をと、気色悪いと……
「「「「「そんなことあるわけありませんっ」」」」」
ブンブンと音が鳴るほど頭を振られた。
「こんな可愛いお嬢様を!」
「こんなお綺麗なお嬢様を!」
「こんな心優しいお嬢様を!」
「私たちのお嬢様を!」
…………ん?
「そんなことセバスさんが一言でも言おうものなら私たちが何としてでも神の鉄槌を下してみせますわ!」
いや、そこまでしてくれなくてもいいのだが。
最近テティのお嬢様熱がすごい。
勢いは若干怖いが、こうして応援してくれる存在が近くにいてくれるのは何とも心強い。
「テティたちがいてくれてよかった」
ありがとうと微笑むと号泣した皆んなに力一杯抱きしめられるのだった。
愛が痛い。もう少し緩めて。
「そうと決まればこれに靴と装飾品、あとは髪型はどんなのに……」
お手柔らかにお願いします。
自分に代わり次々と決められていく品々に、ちゃんと着こなせるかなと不安だけが残るのだった。
方法までは教えてもらえなかったが、その内教えてもらえるだろう。
ならば自分がやることは一つ!!
セバスに告白し恋人…ではなく結婚してもら……もらえるかなぁ……
今更ながらかなり不安になってきた。
テティは「いけます!いけますよお嬢様!」と言っていたが本当だろうか?
中身はアラサーだが、見た目だけで言えばピチピチの14歳。
「早く大人になるにはどうしたらいいかしら?」
「お嬢様はそのままで十分です!そのまま、そのままでいて下さいませ!」
それは……無理だろう。
というか何故大人になりたいという質問にその答えなのか。
テティはそのままで良いと言うが、はっきり言って今のままでは彼の隣に立てたとしても親子と間違われるに決まっている。
こんな……こんな絶壁の胸も、幼さが残る顔も何とかしなければ!
ボンキュッボンな大人の女性を目指すのよ!
「やはり大人の女性と言えば黒髪だと思うのだけどどうかしら?」
形から入りたがるのが自分だった。
「ダメです!なんてこと仰るのですか!奥様譲りのその綺麗なプラチナブロンドを染めるなど絶対にお辞め下さい!」
すっごい止められた。
それこそ今にも号泣せんばかりに。
日本にいた頃は髪色を変えるなど当たり前のことだったのだが。
確かに今の髪色はとても綺麗で勿体なくも感じてきた。
「分かったわ。なら胸を大きくして身長を伸ばす方法を教えてちょうだい」
「え?胸…ですか?うーん、身長は牛乳でしょうが胸はなんですかね?」
それを聞いているのだが。
「とりあえず牛乳から……牛乳かぁ」
はっきり言って牛乳はあまり得意ではなかった。
苺牛乳やコーヒー牛乳など何かに混ざっているのならば問題はないのだが、牛乳だけというのは……いや、頑張ると言ったからには頑張らねば!
「あの、でも飲み過ぎもよくないわよね。毎朝コップ一杯から初めてみましょう!」
早速及び腰だった。
あとは何かと考えていればテティがにこにこと笑いながら色とりどりのドレスを持って近づいてくる。
「私そういうのはよく分からなくて……」
前世ではいつもギリギリの生活だったためお洒落をしている余裕などあるわけもなく、あったとしても見せる相手もないほど仕事に追われていた。
可愛い、素敵と思いはするがそれが自分に本当に似合っているのかどうかがいまいち分からないのだ。
アメリアの記憶を参考にしようにも、楽しそうにドレスを選んでいた記憶が全くと言っていいほどない。
「これからです!これから勉強していけばよいのです。お嬢様に似合うものを私も一緒に探してセバスさんに教……いえ、そうですね。まずはお嬢様がお好きな色から探してみましょう」
「?、えぇお願い」
それから数時間、一体そんなにどこから持ってきたのよと言わんばかりに多くのドレスに着せ替えられた。
着せてもらえるため立っているだけでいいので楽ではあるのだが、それも10着を超え始めれば楽しんでなどいられず表情筋が死に始めた。
そしてテティよ、なぜ侍女の数が増えているのか。
当初テティを入れ2人だったはずの侍女が、気付けば6人になっている。
いつの間にやってきたのか。
「やはりどの色もお嬢様にお似合いで迷ってしまいますわ」
「私はこの淡い黄色がいいかと」
「いえ、私はこちらの緑が………」
貴方たちそのお嬢様を置いてきぼりに話し合わないでちょうだい。
「お嬢様、ここはやはりこの青が宜しいかと」
ふとテティが差し出してきたものを見ればセバスの瞳と同じ深い青色のドレスだった。
「これ……」
「ええ。これで想いを伝えては如何でしょうか?セバスさんもこれで落ち……いえ、お嬢様に魅了されることでしょう」
いいのだろうか?
まだ想いも伝えてないのに。
「き、気持ち悪いとか思われないかしら?」
ませたガキだと思われたりしないだろうか?
何故自分の色をと、気色悪いと……
「「「「「そんなことあるわけありませんっ」」」」」
ブンブンと音が鳴るほど頭を振られた。
「こんな可愛いお嬢様を!」
「こんなお綺麗なお嬢様を!」
「こんな心優しいお嬢様を!」
「私たちのお嬢様を!」
…………ん?
「そんなことセバスさんが一言でも言おうものなら私たちが何としてでも神の鉄槌を下してみせますわ!」
いや、そこまでしてくれなくてもいいのだが。
最近テティのお嬢様熱がすごい。
勢いは若干怖いが、こうして応援してくれる存在が近くにいてくれるのは何とも心強い。
「テティたちがいてくれてよかった」
ありがとうと微笑むと号泣した皆んなに力一杯抱きしめられるのだった。
愛が痛い。もう少し緩めて。
「そうと決まればこれに靴と装飾品、あとは髪型はどんなのに……」
お手柔らかにお願いします。
自分に代わり次々と決められていく品々に、ちゃんと着こなせるかなと不安だけが残るのだった。
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