アタイVS妾w


「今流行りのウィルスは心の穢れを肉体を魔物へ変える。ゆえに、生命の輝きを放つ者こそが、この世界の正義なのだ」

二十年前、神聖リリアーヌ帝国を統治した女帝イザベラ。
彼女は不潔・不謹慎・腐臭・卑屈といった悪意の感情が混ざり合い、人を魔物化させる呪いのウィルス『マナ・ヴァイラス』から帝国を救うため、魂の美醜を数値化し、不快を撒き散らす者を「魔物予備軍」として排除する究極の検疫社会を築き上げた。

そして
ワクチンポーションの開発も
独自に進めていた


だが、彼女はその理想の半ばで、何者かに背後から刺され、暗殺される。

――そして二十年後。
目覚めた彼女が鏡の中で見たのは、油ぎった髪に三重のあご、負のオーラを全身から垂れ流す地方男爵家の落伍令嬢・シルヴィアの姿だった。

「……は? 何、デブ!?妾なのか!?この底スコア? 清潔値が5を切りそうではないか。妾が作ったこの法において、この腐敗ぶりは家畜以下の『ゴブリンおばさん』の数値ではないか! 引くわッ!!」

この世界では、不快なだけの怠惰なデブやわざと不潔なデブはウィルス化しやすいため排除の対象。さらに世間ではイザベラは「愛のために隠居した」という美談に改ざんされ、ミヤビは「純潔の女神」として君臨していた。

これは、最底辺のふくよかマシュマロスライムボディから這い上がる女帝が、醜悪な脂肪を魔力へと変換(燃焼)し、自ら作り上げた「ルール」をハックしながら、裏切りと腐敗した帝国を再びその手に収めるまでの、最も華麗な反逆劇である。
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