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2章

22.2章終わり

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 私達が、ダニエル・スペクターとその部下達を取り込んで、商売を始めるまで半年ほどの時間を必要とした。

 ボランティアで王宮修繕を行うにあたって、タダ働きは嫌だと止める前例を作る訳にはいかないからと言う理由だったのだから、気の毒としか言いようがない。

 そしてダニエルが懸念していた通り、貴族出身の文官と騎士達を除き、給料は国が安定するまで5割カットを言い渡されるが、不満だからと職を辞する者はいなかった。

 辞任する者が少なかった理由は、王都に暮らす庶民の生活が苦しかったためである。

 商業通り。
 職人通り。
 貴族の屋敷。

 それらが襲われ、商品、金銀等の貴金属、宝石、職人の道具等が奪われた。 商売道具が無ければ仕事にならない問う者達に、アダ―商会は年20%の金利をつけ金を貸し出し、なかなか苦しい生活が強いられていた。

 それでも暴動に至らなかったのは、無傷だった食糧庫を解放し、人々に食料を提供したためだ。 ソレを聞いた時、周辺国は食糧危機にあるはずなのに、何故食糧庫が襲われなかったのか? と言う疑問を覚えた者は僅かな数だったと言われている。



 侵略者の強襲から半年後。
 合同葬儀と共に王位継承の儀式が行われた。

 ホワイトウェイ国の新国王となったのは、4大公爵家の1つホワイトエスト公爵家の新当主エドワードであり、年若い王の相談役としてアダ―商会会頭マルコムが着任し、その息子達もソレゾレ国政に関わる要職についた。



 そして……侵略者の強襲から3年の時が忙しく流れた。

 ホワイトウェイ国の平均気温は年々上昇し10度以上あがり、食料不足、水不足、流行り病と多くの人が倒れ始めていた。
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