その花は、夜にこそ咲き、強く香る。
『なんで、アイツの顔見えるんだよ』
相貌失認(そうぼうしつにん)。
女性の顔だけ上手く認識できないという先天性の病を発症している少年、早坂翔(はやさかしょう)。
夏休みが終わった後の八月。彼の前に現れたのは、なぜか顔が見える女の子、水瀬茉莉(みなせまつり)だった。
他の女の子と違うという特異性から、次第に彼女に惹かれていく翔。
中学に進学したのち、クラスアート実行委員として再び一緒になった二人は、夜に芳香を強めるという匂蕃茉莉(においばんまつり)の花が咲き乱れる丘を題材にして作業にはいる。
ところが、クラスアートの完成も間近となったある日、水瀬が不登校に陥ってしまう。
それは、彼女がずっと隠し続けていた、心の傷が開いた瞬間だった。
※第12回ドリーム小説大賞奨励賞受賞作品
※表紙画像は、ミカスケ様のフリーアイコンを使わせて頂きました。
※「交錯する想い」の挿絵として、テン(西湖鳴)様に頂いたファンアートを、「彼女を好きだ、と自覚したあの夜の記憶」の挿絵として、騰成様に頂いたファンアートを使わせて頂きました。ありがとうございました。
相貌失認(そうぼうしつにん)。
女性の顔だけ上手く認識できないという先天性の病を発症している少年、早坂翔(はやさかしょう)。
夏休みが終わった後の八月。彼の前に現れたのは、なぜか顔が見える女の子、水瀬茉莉(みなせまつり)だった。
他の女の子と違うという特異性から、次第に彼女に惹かれていく翔。
中学に進学したのち、クラスアート実行委員として再び一緒になった二人は、夜に芳香を強めるという匂蕃茉莉(においばんまつり)の花が咲き乱れる丘を題材にして作業にはいる。
ところが、クラスアートの完成も間近となったある日、水瀬が不登校に陥ってしまう。
それは、彼女がずっと隠し続けていた、心の傷が開いた瞬間だった。
※第12回ドリーム小説大賞奨励賞受賞作品
※表紙画像は、ミカスケ様のフリーアイコンを使わせて頂きました。
※「交錯する想い」の挿絵として、テン(西湖鳴)様に頂いたファンアートを、「彼女を好きだ、と自覚したあの夜の記憶」の挿絵として、騰成様に頂いたファンアートを使わせて頂きました。ありがとうございました。
あなたにおすすめの小説
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
この度はTwitterでの「第2回読みます企画」にご応募頂き有難うございました。
予定では数話読んで終わる予定だったのですが、
最後まで読んでしまいましたので感想が少し遅れました。
深い内容ながら面白かったです。
相貌失認の設定が個人的に共感できました(とはいえ私は名前が覚えられないだけなのですが)。
あとは秘密の解き明かし方が巧みだなと思いました。
最後に。
私は2人を応援したいですね。
感想、ありがとうございました。
「愛することの意味」を作品のテーマにすえ、ただひたすら愛し合う二人の姿を丁寧に描くよう心掛けました。
ええ、そう。感想書きにくい部分があるんですよね苦笑。ですので、「二人を応援したい」という一言だけで充分です。この作品を書いてよかったという気持ちになれます。
ツイッターにてご応募ありがとうございます。読むのが遅くなってしまい申し訳ありません。花音さんの書く物語は素敵なお話ばかりですね。もう、あらすじからこれは引用RTしようと思った程でした。茉莉の顔だけ見えるのは茉莉が男の子だったり?とも思ったのですが、そうでは無さそうですね。青春の甘酸っぱい雰囲気に心を掴まれました。この病は実際にあるものなのでしょうか?微力ではありますが、応援しております。これからも作品投稿、頑張ってくださいませ。
「相貌失認」は実際にある病で、有名どころだと「ブラット・ピット」も罹患しています。顔が見えないというよりも、識別できない(特徴を認識できない)といった方が症状として適切でしょうか。茉莉が男の子はさすがに無いのですが、二人の恋の行方だったり、病を抱えながら彼がどう生活していくのか、などが今後のテーマとなります。
感想、ありがとうございました。
わー、まさかの読了&長文感想ありがとうございました。とても、とても、嬉しいです。
いや、まったくその通りである、主人公やヒロインの造形から、まわりを固めるサブキャラにいたるまで、自分の「好き」をあますことなく詰め込んで書いた作品です。結末もどうやって描くか? どこで物語を切るべきか? と試行錯誤した結果、10年後まで描ききることになりました。
結果として、これで正解だったと思っています。
著作権の関係で詞を引用できないのですが、たなばた祭りの場面で徹が歌った楽曲は「s〇cr〇t b〇s〇 ~君〇く〇たもの~」を意識しています(このくらい伏せておけば平気でしょ?)。結構、「そうでしょ?」という指摘をされているんですけどね笑。
Twitterから来ました。
かなり興味深い作品でした。
主人公もヒロインもキャラクターが立っていて、寡黙そうな茉莉がどうして主人公と1話の関係になっていくのかめちゃくちゃ気になっています。
これからも読み進めていきたいです!
わああ……( ;∀;)感想ありがとうございました。
アルファポリスは半年に一件ペースでしか感想が貰えないので、めちゃめちゃ嬉しいです。
冒頭で親密になる描写を入れてから、過去に戻って二人の出会いから見せていく構成です。
他にも様々伏線を張り巡らして展開していきますので、続きも拝読して頂けると幸いです。
面白かったです! 水瀬さんの秘密が少しずつ明かされるたびに、翔くんとの関係はどうなるんだろう? とドキドキしました。結末は……いろいろ考えさせられました。幸福とは、結局のところ主観であって、客観では無いのかも知れませんね。切なさ、やりきれなさを含みつつも、それでもハッピーエンドだと思います。
東郷しのぶ様。
素敵な感想をいただきまして、ありがとうございました。
そうですね。冒頭からヒロイン水瀬茉莉の謎めいた行動を複数みせることで読者の興味を引き、ページを捲らせるように──と物語の構成を心がけました。そう言って頂けると励みになります。
結末についてもどうするべきか散々悩んだ末に、今のかたちに落ち着きました。色々な含みを持たせましたが、それでもハッピーエンドだと私も思っています。