アンケート ― 選ばないという選択 ―

アンケート事件からしばらく後。
三枝美佳は、選択に縛られないはずの日常の中で、些細な決断さえ迷う自分に気づいていた。
停止したはずのシステム〈LAPIS〉は、水面下でなお人々の“選択の痕跡”を集め続けており、美佳は今度は被験者ではなく「次期アンケート設計者候補」として目をつけられる。
同時に、強制ではないが「答えないと不安になる」新たなアンケート文化が広がり始めていた。
世界を変える力を持つ問いを作れるのは、美佳しかいない――そう信じる者たちと、再び誰かを選ばせてしまうことへの恐怖の間で、美佳は揺れる。
そして彼女が選んだのは、問いに答えることでも、問いを作ることでもなかった。
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