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2度目

戦勝パーティー

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 殺気立つメイド達に、数日かけて磨かれた私は、陛下とパーティー会場の扉の前にいる。
 これから、陛下のエスコートでパーティー会場入りするのだ。

「リーナ!いつも美しいが、今日は更に美しいな。会場にいる男どもの視線に、怒りが湧いてくるのを抑えるのが大変そうだ。」

「陛下、褒め過ぎです。きっと陛下が贈ってくれた、ドレスやアクセサリーが素敵なのと、私のメイド達が優秀だからです。ありがとうございました。そして…、陛下もとってもステキです。」

 国王陛下も、パーティー仕様の格好をしているが、美丈夫だから似合っていてカッコいいんだよね。

「リーナに褒められると嬉しいな。…リーナ、今日は君と近づきたくて、色々な人間が絡んで来るだろうから、注意するようにな。特に令息達には気を付けろ。お酒は飲み過ぎないようにな。」

 最近、すっかり保護者とか兄のような存在になりつつある国王陛下だ。

 すると、ラッパのなる音がする。そして

「国王陛下、並びに、聖女リーナ様の入場です。」

 掛け声の後、扉が開かれる。

「さあリーナ、手を。」

 国王陛下にエスコートされ、会場内に入場する私達。視線が痛すぎるー!
 陛下が戦争で功績を残した騎士達を称えた後に、私を貴族達に紹介し、乾杯する。

 はあー。早く終わらないかなぁ。

「リーナ、私と踊ってくれますか?」

 やはり、陛下のダンスから始まるらしい。多分、断れないヤツ。
 陛下はステキな笑顔だわー。反対に顔が引き攣りそうになるのを我慢する私。

「はい。私でよければ。」

 メイド長が直々にダンスの練習をしてくれたから良かった。多分、普通に踊れているよね。陛下のリードが上手いのも助かった。

「リーナとこうやってダンスが出来るのが、こんなに幸せなのだな。」

 うっ!そんなことを言われたら恥ずかしいのだけど。

「陛下。恥ずかしいので、そのようなことはあまり口に出さないでください。」

「リーナは恥ずかしがり屋なのだな。それと…、このパーティーが終わった後に大切な話がしたいのだが、少し時間をくれるか?」

 大切な話?

「はい。ではその時に声を掛けてもらえますか?」

「ありがとう。」

 曲が終わり、陛下にエスコートされて席に戻ろうとすると、

「陛下!私に聖女様を紹介して頂けますか?」

 この人は王弟殿下だ。そして背後にいるのは王弟殿下の側近達…。
 私の毒殺未遂の犯人を突き止めてくれた方で、戦地では前線で指揮を取り、騎士達の信頼の厚い方だと聞いている。
 そして、陛下とは仲良し兄弟らしい。それだけ揃っていれば、恐らくいい人なんだとは思うのだけど…。
 私が1番信用しているカーティスが、注意するように話していたのはこの人だよね。陛下の弟だけあって、綺麗な顔をしたイケメン騎士様って感じだ。

 うーん?カーティスの言葉が引っかかり、何となく警戒してしまうなぁ。


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