雪と影の執行記録 ~不要と言われた補佐官と、孤独な執行官~
新暦108年。再編国家レズモスは表向きの平和を維持しながら、独立国家群トリステとの水面下の緊張状態が続いていた。
国防軍諜報部執行課特務室──その名を知る者はごくわずかだ。記録されない任務を遂行し、存在を消して国家の影に生きる執行官たちの組織。国家は彼らの存在を認めない。しかし彼らなしでは成立しない。
特務室の執行官・東雲逢凰は、15年間ただ一人で任務をこなしてきた。補佐官は必要ない。それが彼の一貫した意思だった。しかしある日、上層部の決定により一人の補佐官が送り込まれてくる。
雪月凪、19歳。教育課程を修了したばかりの新任だ。「不要」と告げられることを承知で、それでも彼女は東雲の背中を追い続けることを選んだ。
二人が初めての任務に向かう夜、一つの事案が動き出す。
海に消えた痕跡、山中での潜伏、そして廃墟での決断。任務を重ねるごとに、雪月は諜報の現実を知り、東雲は15年間閉じていた何かに、気づき始める。
これは、記録されることのない二人の軌跡だ。
※本作は『小説家になろう』『カクヨム』『アルファポリス』にて掲載しています。
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