夢現ーゆめうつつー

【あらすじ】
 夢人(ゆめびと)──すでに亡くなった人間が、生きていた頃の人間として生活するモノ。

 現人(うつつびと)──その夢人の正体を手で触れることで、本来の死体へと戻す人。

 未練が高ければ高いほど、夢人になりやすい。そして正体を暴かれた夢人は、自分の中で最も親しかった人物を襲い、道連れにしようとするのである。

 これは夢人を土に還すための、主人公とその友人の物語。


 友人、柴原龍二(しばはらりゅうじ)の兄、真人(まさと)の見舞いに龍二と共に訪れた主人公、池沢健次(いけざわけんじ)。
 見舞い先の病院で、夜中になると聞こえてくるという音の存在を知り──。

【人物紹介】
・池沢健次(いけざわけんじ)17歳
 夢人に襲われていたところを、龍二に助けられて以来、彼と行動を共にする友人に。3歳年上の姉がいた。ちょっぴり怖がりで泣き虫。現人。

・柴原龍二(しばはらりゅうじ)17歳
 兄の嫁に秘めた想いを持つ。左の手の平に、夢人に襲われた時の傷があり、傷痕を隠すために指空きの手袋を常にしている。現人。

・柴原真人(しばはらまさと)23歳
 龍二の兄。現人ではないが、幼い頃から霊が視える。よく健次たちのサポートをしてくれる。夢人の研究をしている。
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