私が不倫に至るまで
「嘘じゃない。私、すごく幸せ」
理想の婚約者の腕の中で、彼女が貪っていたのは——二度と会うことのない男の記憶だった。
【あらすじ・ストーリー紹介】
両家顔合わせも無事に終わり、周囲の祝福に包まれながら順風満帆に結婚への道を歩む美咲と直人。
大手企業勤務、誠実で温厚、美咲を誰よりも大切にしてくれる直人は、誰もが羨む「理想の結婚相手」だった。
しかし、一見完璧に見える愛の陰で、ふたりの間には静かな歪みが芽生え始めていた。
真面目で恋愛経験の乏しい直人は、美咲が「本当に満たされていない」ことにどこか勘づき、彼女を喜ばせようとネットで得た知識を必死に試み始める。
その不器用で必死なアプローチは、過去に百戦錬磨の男たちを知る美咲にとって、あまりにも稚拙で物足りないものだった。
——だが、彼が与えてくる不意の刺激が、美咲の脳内に封印していた「大学最後の夜」を鮮烈に呼び覚ます。
複数の男たちに強引に抱かれ、理性を失うほど歓喜した、背徳的で激しい記憶。
直人の一生懸命な愛撫を触媒にして、美咲の頭の中には無意識に過去の男たちが重ね合わされていく。
嘘で固めた「清楚な妻」の仮面の下で、美咲の密かな身体の暴走が今、はじまる。
理想の婚約者の腕の中で、彼女が貪っていたのは——二度と会うことのない男の記憶だった。
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