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プロローグ
②
しおりを挟むだから僕は何をしても、全てにおいて自由だった。
その分、自由のハンデも相当なものだったが。
兄の門限は夕方の6時、僕の門限はなし。
兄は習い事を一杯している、僕は何もしていない。
兄の毎日の食事は有名シェフが作る豪華なもの、僕は自分で作るイビツな塩おにぎり3つと、たまに焦げた野菜炒めのみ。
兄と両親の3人は海外実習だと旅行に出掛ける、僕は広々とした家で一人、兄が放棄したドラ◯エ(盗んだ)に勤しむ。
新品ばかりを与えられる兄と、そんな兄のおこぼれしか貰えない僕。
ツラいのは幼少期のみで、もうほとんど自分で何かでき始める歳になると、僕はすぐその生活に順応した。
一人が好きになった。一人が普通になった。
学校も、幼馴染みの広太のお陰で何不自由なく過ごせたし。友達も大して必要性を感じなかった。
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