ゼロミリのスタートライン
腰を越える黒髪を誇りにしてきた、女子実業団ソフトボールのエース・速水玲奈、24歳。
試合中の一瞬のミスをきっかけに、監督から命じられたのは――「坊主にしろ」。
「絶対嫌です」
反発し、拒絶し、最後まで髪を守ろうとする玲奈。しかし全国大会と選手生命を前に追い詰められ、ついに理容椅子へ座ることになる。
ハサミによって次々と切り落とされる長い黒髪。
ロングヘアからショートへ。
そして、鳴り響くバリカン。
三ミリ。
鏡の中で髪型が消え、床には自分の髪が積もっていく。
屈辱と怒りしかなかったはずの散髪。しかし玲奈は、頭皮を走るバリカンの振動、髪が落ちる感覚、刻々と変わる自分のシルエットに、説明のできない感覚を覚えてしまう。
そして一週間後――。
伸び始めた髪を見た玲奈は、自分でも信じられない行動に出る。
今度は誰にも命令されず、自らバリカンを手にするのだ。
やがて毎週金曜日の「三ミリ」が玲奈の密かな習慣となり、三ミリは一ミリへ、一ミリは〇・五ミリへ。
そして全国大会前夜。
玲奈が最後に選んだのは、バリカンのさらに先――髪を完全に剃り上げたスキンヘッドだった。
強制されて失った髪。
自分の中に芽生えた思いがけないフェチ心。
そして、自らの意思で選ぶ「ゼロミリ」。
これは、髪を奪われることから始まった一人の女性アスリートが、最後にはその姿を自分自身のものとして選び直し、全国のマウンドへ立つまでを描いたスポ根青春物語。
試合中の一瞬のミスをきっかけに、監督から命じられたのは――「坊主にしろ」。
「絶対嫌です」
反発し、拒絶し、最後まで髪を守ろうとする玲奈。しかし全国大会と選手生命を前に追い詰められ、ついに理容椅子へ座ることになる。
ハサミによって次々と切り落とされる長い黒髪。
ロングヘアからショートへ。
そして、鳴り響くバリカン。
三ミリ。
鏡の中で髪型が消え、床には自分の髪が積もっていく。
屈辱と怒りしかなかったはずの散髪。しかし玲奈は、頭皮を走るバリカンの振動、髪が落ちる感覚、刻々と変わる自分のシルエットに、説明のできない感覚を覚えてしまう。
そして一週間後――。
伸び始めた髪を見た玲奈は、自分でも信じられない行動に出る。
今度は誰にも命令されず、自らバリカンを手にするのだ。
やがて毎週金曜日の「三ミリ」が玲奈の密かな習慣となり、三ミリは一ミリへ、一ミリは〇・五ミリへ。
そして全国大会前夜。
玲奈が最後に選んだのは、バリカンのさらに先――髪を完全に剃り上げたスキンヘッドだった。
強制されて失った髪。
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