上 下
296 / 518

第295話 ノアの部屋6

しおりを挟む


 清酒、芋焼酎、純米酒、ブランデー、リキュール、ウイスキー、果実酒、グラスにコップ、氷やチェイサー、炭酸水などがテーブルにズラリと並ぶ。

「ノア、俺、未成年なんだが?」
「え? ユキマサ君16歳だよね?」

「うん? ああ」
「じゃあ大丈夫だよ♪ この世界でのお酒を飲んでいい歳は13歳からだから。問題ないんじゃない♪」

 まあ、親父の酒、ちょろまかしたりとかして飲んでたしな。凄い怒られたけど。母さんに。
 この世界で合法ならいいだろう。少し飲むか。

「じゃあ、少し貰うかな?」
「ふふ♪ いいね、そうこなくちゃ♪」

 てことで、ノア、俺、ロキは、
 それぞれコップに酒を注ぎ──

「「「乾杯!」」」

 飲み始める。ちなみに俺は純米酒を飲んだ。

 あー、酒の味、久しぶりだな。
 嫌いじゃないが、好きでもないんだよな。でも何か、たまに飲みたく、酔いたくなる日がある。

「ユキマサ君とロキさんなら、私の秘蔵酒を飲ませてあげようかな♪」

 と、取り出したのは。2つの酒瓶。

「〝エルフの国〟の『エルフざけ』と〝アルカディア〟の秘蔵のお酒『万祭ばんさい』だよ。2つとも本当に珍しいお酒なんだ♪ 普通のお店じゃ、売ってないし♪」
「万祭というと、あの万祭ですか!? す、少しいただいても?」

 ロキのテンションが高くなる。
 そーいや、酒好きとか言ってたな。

「少しと言わず、どんどんどうぞ♪ ふふ、お酒は私、1人でしか飲んだこと無いから。皆で飲むなんて何か楽しくなってきちゃうな♪」
「1人飲みなのか? 呼んでくれれば、いつでも付き合うぜ?」

「ホント? なら、毎回呼ぼうかな♪ 言質げんちとったからね♪」
「お前、もう酔ってるのか?」

 異様にテンションが高いノアに問いかける。

「全然、私こうみえてお酒強いよ♪ 1人だからついついピッチ速く飲んじゃうし、今は楽しいだけ」
「私も基本1人で飲んでますね。私は睡眠を必要としないので深夜は大体、1人晩酌タイムです」

 大聖女にギルドマスターが1人飲みとはな。
 まあ、ノアは立場的に何となく分かる気がするが。

「つまみになるかは分からんが、果物があるから出すか?」

 俺は適当に〝アイテムストレージ〟から、メロメロン、虹ブドウ、星イチゴ、レッドパイナップル、その他諸々を取り出しては、切って皿に盛り付ける。

「あ、素敵♪ 遠慮なくいただきます♪ これはミリアちゃんにも感謝だね♪」
「だな。ふぅ、今日は酒が進みそうだ」

 次に俺は果実酒を貰う。無難にレモンかな。
 アルコール度数は36%、中々高めだな。

 俺はそれを炭酸で酒7:炭酸3で割り、ミリアに貰ったスイーツレモンをグラスに刺して、飲む。

「あ、私も飲みたい、割合は私も7:3で♪ スイーツレモンもお願いします♪」

 と、ノアが要望してくる、特に断る理由も無いので「はいよ」と同じくスイーツレモンの果実酒を作る。
 そーいや、誰かに酒作るの初めてだな。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【立場逆転短編集】幸せを手に入れたのは、私の方でした。 

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:7,032pt お気に入り:826

【完結】断罪後の悪役令嬢は、精霊たちと生きていきます!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:12,112pt お気に入り:4,077

街角のパン屋さん

SF / 完結 24h.ポイント:1,725pt お気に入り:2

本当はあなたを愛してました

m
恋愛 / 完結 24h.ポイント:3,606pt お気に入り:218

石女と呼ばれますが......

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:2,806pt お気に入り:46

〈完結〉八年間、音沙汰のなかった貴方はどちら様ですか?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:163pt お気に入り:1,765

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:9,208pt お気に入り:1,568

処理中です...