セイヴィア

 少年は、いつの間にか、どこかの通路に立っていた。
 それ以前までの記憶が曖昧で、なにをしてここに来たのか、そもそも、どんな生き方をして暮らしてきたのかすら、少年は思い出せない。
 道の左右と奥、後ろにあるのは、普遍的な扉。それぞれ謎の文字が書かれているドアは施錠されており開けることができない。
 奥には、見覚えのある少女がひとり、背後の扉に背中を預け座るように眠っている。

 世界とセカイ。
 生と死、善と悪。
 絶望に染まる人生。
 鍵の無い扉。

 唯一の希望、僕だけのセイヴィアーー。
  


  
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