恋と堕天とロマンティック
天使の住む天界と悪魔の住む魔界とは、恒常的な戦闘状態にあった。
魔界の軍を束ねる立場にある、ディオスクロイ。彼は日々無感動に淡々と仕事をこなしていた。ある日、魔界の近くに天使が一羽紛れ込んだとの報告を受ける。事実の確認と収拾に向かったディオは、そこで蒼い髪をした美しい天使と出会い、ひと目で恋に落ちる。
しかし、相手は天界の四大天使の一人であり、軍部を束ねる火天使長のラスだった。
ディオの恋愛を成就させるため、悪魔の同僚であるフェルカドとサディルの二人は一策を講じる。それは魔界の軍人としてトップにたつディオと、天界軍のトップにたつラスを結婚させてしまい、それをきっかけとして魔界と天界の間に和平条約を結ぼうというものだった。
その案に従って、ディオは彼女を手に入れるために天界に侵入し、さらってきた上で堕天させてしまう。当然天界側は激怒したが、一度堕天した天使を天界に還すことは出来ないため、渋々その提案を受け入れる。
一方、最初はディオに嫌悪感を抱いていたラスだったが、彼女にも心境の変化が起こる。天使は本来恋愛感情を持たない生き物とされており、今まで誰からも特別に愛される事もなく、愛した事もなかったラスにとって、ディオの熱烈な愛情は心地よいものだった。そんなディオの求愛にほだされるようにして、次第にラスも心も開いていく。
しかしラスがディオの魔王から賜った大事な花瓶を壊してしまい、それが原因でディオに嫌われるのではないかと恐れたラスが、ディオから逃げ出してしまったのだ。そんな事情を知らないディオはラスが誘拐されたのではないかと心配し、魔界中を探し回る。だが、漸く探し当てたラスはかどわかされたのではなく、自ら逃げ出したという。帰ることを拒むラスを失いたくないディオは、ラスを傷つけてしまう。それが原因で再び引き離された二人がもう一度寄り添うまでの恋物語。
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