雨降る緑の庭
「ようこそ、雨と緑の我が家へ」
それは突然で、なんの予兆もなかった。
家族も友だちも信頼できる人も、全てを失って、メグはひとりぼっちになった。
とある雨の日、孤独に逐われたメグは異界に迷い込んだ先で、自らを「半妖精」と名乗る青年と出会う……。
孤独を知り、別世界を知り、人ではない人を知ってしまったからには、知らなかった頃には戻れない。
現実と幻想の狭間を逃げて迷って、怯えて泣いて、それでも立ち上がる理由を抱きしめて、メグは手探りに歩き続ける。
これは小さな女の子があたりまえを失ったあとに新たに紡ぐ、絆と勇気の物語。