元婚約者の結婚式に「レンタル彼氏」を頼んだら、なぜか会社の御曹司が来ました 〜一日限定のはずが「契約延長で。期間は一生」と言われています〜
三年間付き合った婚約者に浮気され、婚約破棄された会社員・綾瀬ひなた、二十八歳。
しかも半年後、元婚約者から届いたのは、浮気相手との結婚式の招待状だった。
もちろん欠席するつもりだった。
――元婚約者から、余計な一言を言われるまでは。
「もう俺のことなんて気にしてないよな?」
カチンときた。
酒の勢いもあって、ひなたは宣言してしまう。
「行ってやるわよ! とんでもないイケメン連れて、幸せそうにローストビーフ食べて帰ってやる!」
すると親友が、本当にレンタル彼氏を予約してしまった。
そして結婚式当日。
ホテルのロビーで待っていたのは、黒いスーツを着た、恐ろしく顔のいい男。
ひなたは迷わず声をかける。
「レンタル彼氏の方ですよね?」
「違う」
「すみませんでした!」
「待て」
「はい?」
「……俺がやる」
「何をですか?」
「彼氏を」
こうして始まった、一日限りの偽装恋愛。
ところがこの男、妙に態度が大きい。愛想はない。恋人のふりはやたら上手い。しかも元婚約者の前で、ひなたを勝手に「婚約者」と紹介してしまう。
それでも無事に結婚式を終え、これで二度と会わないはずだった。
――翌朝までは。
出社したひなたの前で、新任専務として紹介された男を見て、彼女は固まる。
「本日付で専務に就任した、九条蓮だ」
昨日のレンタル彼氏が、うちの会社の御曹司なんですけど!?
しかも蓮は、なぜか偽装恋愛を終わらせる気がないらしい。
「昨日で契約終了ですよね?」
「延長する」
「何日ですか?」
「一生」
「長い長い長い! そんな契約期間、聞いたことありませんから!」
仕事は完璧、容姿も完璧、なのに恋愛だけは壊滅的。
嫉妬しても認めない。
デートの仕方も知らない。
サプライズと迷惑の区別もつかない。
そんなポンコツ御曹司に振り回されながら、傷ついていたひなたの日常は、少しずつ賑やかに変わっていく。
一日限定だったはずの偽装恋愛。
なのに気づけば、彼のほうが本気になっていて――。
笑って、喧嘩して、ときどき不意打ちで甘い。
恋愛初心者の御曹司と、世話焼き会社員の、勘違いから始まる溺愛系お仕事ラブコメディ。
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――翌朝までは。
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「延長する」
「何日ですか?」
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嫉妬しても認めない。
デートの仕方も知らない。
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