雨の卵と、嘘つき船長
借金船長ニコが引き受けたのは、古いパン窯を高地の町へ運ぶ仕事。ところが窯は宙へ浮き、粉袋からは家出中のパン職人が現れた。
窯の二重壁には、空を泳いで雨を降らせる「雨紡ぎ」の卵が隠されていたのだ。
行く手には干上がる近道、空に架かる水路橋、足で船を押す暗い隧道。そして荷を買い取りたい大会社と、腕の立つ回収船の船長。頼れる機関士には、次の職場へ向かう日が迫っている。
燃料代を稼ぐためパンを売り、時には喧嘩し、時には別の仕事を引き受けながら、小さな蒸気船は東へ進む。
見栄を張る船長と、自分の味を探す職人。別々の望みを抱えた人々が、一つの荷とそれぞれの明日を運ぶ冒険ファンタジー。
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