この心が死ぬ前にあの海で君と
第6回ライト文芸大賞 青春賞をいただきました。応援下さった皆様、ありがとうございます。
北海道函館市に住む、成瀬 理都(なるせ りつ)高2の春。
いつの頃からか自分の感情を表に出せなくなってしまったリツ。
人当たりはいいが何を考えているのかよくわからない子と家族をはじめ、周りにはそう思われている。
抱えた問題の重さと孤独に耐え切れなくなったある日、リツが出逢ったのは
倉田 朝陽(くらた あさひ)という東京から引っ越ししてきた同い年の男の子。
リツの抑えてきた想いに気づき、踏み入ってくることに戸惑い最初は拒絶するも、
たった一人だけ自分の本当の感情に気づいてくれた朝陽と友達になる。
朝陽は同い年で従弟の牧野 奏太(まきの かなた)の家に居候。
奏太の幼馴染でありリツの親友、水谷 星(みずたに あかり)も加わり、
家族の確執、友情と恋が複雑に絡み合う中で朝陽自身も悩みを抱えていることをリツは知る。
デビュー作今更ですが、読了しました。感情をミュートするという表現が今時っぽくて、よい意味で意表を突いてきたなと思いながら読んでいました。
自分の母親との軋轢に苦しむ様や、周りに合わせてばかりで、自分の気持ちを押し殺してしまう悩みが、見事な筆致で描かれていたと思います。
主人公がサッカー部のマネージャーになるという展開も面白く、大好きな朝陽を応援する流れは青春らしさが全開だったように思います。
北海道という舞台だからこそ、時折出る訛った言葉遣いも独創性に長けたキャラ作りがされており、方言の会話を楽しみながら読むことができました。面白かったです。
作者様単著デビュー作。
書籍版を読了しました。
改題前のWeb版「感情ミュート」のファンであり、そこから受賞と加筆修正を経て紙の本として読む事ができ、とても幸せでした。
感情をそのまま乗せたような迫り方で、とても切なく描写された冒頭。それは吐き出されるようなものではなく、ぱんぱんに膨らみそれでも外に漏れないミュートが掛けられその重みのまま落とされたよう文章。締め付けられるような心の叫びは、最終盤の紐解かれる謎の壮大な伏線であり、おそらくこの要素が最高の読後感に繋がっています。
絶妙にキャラ立ちした登場人物達が作中で躍動する青春物語ですが、その空気感は常に穏やかで優しさがあります。数々の苦難に怯み悩み、挑み立ち向かう。若者がそうなるプロセスに自然な友情と愛情が寄り添っていて、中盤以降の事件や出来事はまさに「荒波」ですがそれを皆で乗り越えていきました。
恋愛要素は女の子が大好きなスウィートさですが、切ない系高校生らしいエピソードは悶絶ものです。男子達のイケメン具合には、脳内で変換されお腹いっぱいです(笑)
溢れるご当地愛と絶品食レポを読んでいるような楽しさも潜り込んでいて、函館に行ってみたくなります。方言の味もあり、なんて可愛いんだろう、と。無理のない軽さで文体も読みやすく、「読み疲れ」しないところも個人的には好きです。
のんびり作られた幸せな場面と、引っ掛かりある場面のあっさりさを巧みに編んでいる構成で、「順目」と「逆目」で例えるなら、「順目」は長く「逆目」は短く組んで後回しにしています。その「逆目」の部分の全ては終盤の「解明編」でならしていて、ラストまでの50ページはもう止まらず読後まで感動を引き摺りました。
とっても面白かったです。
単著デビュー作ということで、青春恋愛小説や児童文学も得意な作者様の次回書籍化作も必ず読もうと思っています。
書籍版にて読了しました!
ほんと~~に最初から最後までグッと来ました😭
序盤、母との関係に悩んでいたリツが海に身を沈めようとするシーンは怖くて悲しくて、でもそこで出会えた朝陽との日々に癒されて😭✨
最初は朝陽との関わりに素直になれなかったリツが、少しずつ心を開いていき、彼と過ごす日々の中でミュートしていた感情を開いていく描写がとても素敵でした。
しかも、一見チャラけてるだけに見える朝陽に、あんな辛い過去があったなんて……あの事実が明かされたときには思わず(電車内で)涙しそうになりました。
そして何よりも、リツのルーツが衝撃でしたね……。リツ自身の気持ちもお母さんの気持ちも考えると複雑で、読んでいて胸が締め付けられました。
それぞれの人物の心情からくる態度や言動が丁寧に描かれていて、ものすごく感情移入してしまいました。
舞台になってる函館……いいなあ。観光名所だけじゃなく、ごはんもすごく美味しそう。台詞で度々出てくる方言ももはや癖になりそうです。
なまら素敵な作品をどうもありがとうだべさー!!
オススメいただいて、最初は「泣くってわかってる作品は読みづらいなぁ」と思っていたのですが、読み始めたらこれも一気読みしました。泣いて笑って泣いて微笑んで、里胡さんの作品に登場する方はみんなあたたかくてハッピーエンドになるのでホッとします。リッちゃんもアヤトくんも生きる道を選んでくれて良かった!朝陽くんも良い子だけどカナタくんもアーちゃんも良い子たちで青春してるなぁこのまんま大人になって欲しいなぁ。
また素敵な作品をありがとうございます。
他者との関わりから生まれた心の傷。
誰かに依存するでもなく、成長しながら心の傷を埋めていくお話に最後は涙が止まらなくなりました。
キラキラした青春だけでなく、痛みを伴う成長の物語で素敵なお話でした。
ありがとうございます。
『感情ミュート』はリツと朝陽の物語という印象が強いですが、改めて読み直してみると「リツが他者と触れ合い成長しながら母との関係を再構築していく」という一本の筋が物語の中心にあったのだと改めて気づきました。
子供にとっては絶対的な存在である母親との関係に悩んで少しずつ感情に蓋をするようになったリツが、「東京の男の子」である朝陽と出会って変化していく。奏太くんやあーちゃんを時に傷つけても、自分の気持ちに正直に向き合う術を学んでいく。
そして最終的には母と対峙し、自分なりの結論を出す。
四人の関係の眩しさや二人の恋のきらめき、北海道グルメの彩りに目を奪われがちですが(もちろんそれらも重要な要素ですが)、一人の人間の成長が物語の軸になっていたんだなと再発見しました。
読み始めると止まらなくなり、夢中で読破してしまいました!実際に感じられるような函館の雰囲気や登場人物みんなの魅力に、巻き込まれるように没入してしまいました。
青春のきらめきと脆さと尊さを疑似体験できました…
りっちゃんと一緒にドキドキしたり、胸を痛めたり、怖くなったり。
中盤は奏太くんに持ってかれてましたが…やっぱり朝陽くんにキュンとしたり。
そして終盤、泣けました。ずっとぎゅうっと心臓を掴まれながら読んでた感覚が、ふわ〜っと解き放たれるような、圧倒的感動でした!
読めてよかったです。ありがとうございました✨
『感情ミュート』
タイトルから惹かれました。
リッちゃんの葛藤が苦しくて。
朝陽の優しさの裏にある理由が苦しくて。
そんな2人が。周りの優しさが。
特にじっちゃんの優しさが、私の心に響きました。
本当の事を話せて、みんな心の重しから解放されてよかったです。
朝陽もカッコいいけど、奏太好きです。
素敵なお話、ありがとうございました。
人に嫌われないように、人から踏み込まれないように気を張って縮こまっていたリツの、勇気を出して向き合ってみた現実が、こんなに素敵なものだったなんて。
ラストシーンではここまでの印象的なシーンがわぁっと迫ってくる感じがありました。
リツ、朝陽。本当に良かったね。
自分を信頼すること、人を信頼すること、相手と真剣に向き合うことの大切さを彼らの姿から改めて学ぶことができたなあと感じています。
彼らの物語がさらに多くの人に届きますように。
最初から最後まで、そこに居るみたいに、行ったことのない場所なのに鮮明に脳に浮かび上がるくらいに丁寧に描かれていて、リツの感情も朝陽の感情も痛いくらいに響いてきて、涙なしではいられない作品でした。みんなが幸せでラストを迎えられてとても良かった。素敵な作品を読ませて頂いて、本当にありがとうございました。
リツも朝陽もあーちゃんも奏太くんもじっちゃんも母さん父さん、拓も大好きです!