一歩
ある日、22歳の俺、浜中和也(はまなかかずや)が病院で出会った女性は、足が無かった。
しかし、辛そうな素振りを一切見せずに、笑顔で母親らしき人と会話している様子は不思議に思えた。
一体、彼女の笑顔の裏にはどんな悲惨な現実が隠れているのだろう。
俺は、彼女に声を掛けた。
「どうして笑えるのですか。俺よりも貴方のほうが辛い筈なのに。」
すると、彼女はこう答えたのだ。
「じゃあ、どうして笑わないのですか。笑っていた方が楽しい事が多いでしょう。」
どうして笑わないかって?笑っていても意味が無かったから笑わないんだよ。心の中でそう叫んだ。
そうは思っていても、何度か会う内に俺は彼女の生き方、性格に惹かれていく。
彼女の名前は橘沙織(たちばなさおり)。
これは、俺が、足が無くて歩くことができない女性に出会ってから、彼女と共に一歩を踏み出そうとする物語…。
しかし、辛そうな素振りを一切見せずに、笑顔で母親らしき人と会話している様子は不思議に思えた。
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どうして笑わないかって?笑っていても意味が無かったから笑わないんだよ。心の中でそう叫んだ。
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