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第四章 学園生活編
序章 平和な日常?
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久々に…気持ち良く目覚める事が出来た。
もう…異世界召喚云々は起きないと思うと、気が楽になっていた。
俺はベッドから起き上がり、居間に行ってから兄妹達に挨拶をした…が、全員から一斉に睨まれた。
昨日の話の続きをすると…こうだった。
以前にこの世界に帰った時に、セルリアの服を脱がせてからお腹やパンツを脱がして足を開かせるという行為は無かった事になっていた。
それは良かったのだが…セルリアとルナリアの2人に手を出していた事が発覚して、セルリアとルナリアが家に押し掛けて来た所に俺が帰宅…その後は身に覚えが無い事で非難を浴びるという結果になった。
いつもながらの事で記憶が全くないので言い訳も通らなかった。
「これも神の差し金か? この状況を楽しんでいるとしたら…本当に性質の悪い奴等だな!」
あの神々達ならあり得そうだな…?
俺の事をゲームの駒としてしか見て居ないからな!
今度にまた天界に行ける事があったら…アイツら全員ぶっ飛ばそう‼
…と俺は心に決めていた。
そして異世界召喚から帰って来た美紅や真美や悠斗は…
屋上にいる所を発見されて、最初は色々と説明を受けていた。
警察の話では、何処かの無人島にいたが…気が付くと屋上にいたという話をするとそれ以上聞かれる事は無かったが、代わりにクラスメート達に質問攻めにあったという。
昼休みになり、悠斗達は他のクラスの奴からも質問をされそうになったが、上手く屋上に連れて行くと疲弊した様な顔をしていた。
「休み時間の旅にこれじゃあ…」
「もう、いい加減にして欲しいわ!」
「私も嘘を付くのはあまり気が載らないけどね…」
「解るだろ? 俺も今迄に同じ質問を警察に散々されていたんだよ。 他にも学校の奴等とかな。」
「あぁ、自分の立場になって苦労が分かったよ。」
俺はパンを齧りながらネットを見ると、緊急放送という告知を見付けて再生した。
するとニュースで、今迄行方不明になっていた者達が子傘原島で発見されるというニュースが流れていた。
他の3人もスマホでそのニュースを見て居た。
すると正義が出ていて、正義は今迄に異世界にいたという話をしていた。
「やっぱり…正義も復活していたんだね?」
「あいつ…異世界に居たとか話しているぞ!」
「おかしいな…? 神達には、異世界で死んだ者達の記憶は消して戻してくれと伝えておいたんだけどな?」
「異世界で勇者だったのに仲間に殺された話をし始めたよ?」
俺達の名前を出していない所を見ると、正義の事だから…恐らく学校で暴露するつもりなんだろう。
さてと…しばらくすれば戻って来るとは思うけど、此方も準備をしておかないとな!
「俺はお前達に…異世界召喚の話を伏せろと言ったよな?」
「あぁ…それで代わりに作った設定を話しているが?」
「正義が戻って来たら、良い機会だから良く見ておくといい! 異世界召喚の話をした人間が、大人達なら呆れて相手をしないが、クラスメート達は最初は面白がって話を聞くけど、その内に飽きられてから中二病と勘違いされ始めるから。」
「学校にいた頃の正義なら絶対にそんな事を言わなそうだけど、向こうで性格が変わった正義なら何かを口走りそうだな?」
「お前達はあくまでも、無人島の設定を貫き通せ! 異世界召喚よりも知らない内に無人島に運ばれて生活をしていたという話の方がまだ信憑性がある。」
「確かにね、これが小学生とかなら…でも、小学生でも同じ話を何度もされたらその内に飽きられるか!」
「小学生とかなら、なら魔法を使ってみろよ~とか言って使えないと非難されるだろうからな。」
それから3日後になって、正義は学校に登校して来た。
そしてクラスメート達がいる中で、悠斗達と一緒に異世界召喚した話をし始めた。
更に俺に指を指して…
「僕は向こうの世界で勇者に選ばれたんだけど、それを妬んだ朔夜に刺されて殺されたんだ!」
…という話をしていた。
最初はクラスメートに俺は注目を浴びたが、次の言葉でクラスメート達は正気に戻った。
「お前の話が本当だとしてだ! じゃあ、何故殺された人間が目の前で生きているんだ? お前はゾンビか何かなのか?」
俺が真顔でそう言うと、正義はただのホラ吹きで痛い奴みたいな目で見られ始めた。
だが…正義は諦めずに机に上がって言い出した。
「僕が生きているのは、勇者の加護があるからだ! それを証明してやる‼」
そう言って…正義は窓から飛んで行った。
正義は…忘れていた。
異世界召喚が行われる前は、俺達の教室は2階にあったのだが…帰還してからは4階が俺達のクラスになっている事に。
なので当然、何の力も持たない者が4階から飛び降りて…死にはしなかったが、複雑骨折で入院する羽目になった。
それ以降…クラスでの正義の立場は、中二病を拗らせた危ない奴として扱われる様になった。
「なぁ、悠斗…これで分かったろ? 異世界召喚を話をした奴がどういう扱いを受けるかと。」
「あぁ…良く解った。 これなら確かに無人島に運ばれて生活をしていたという話の方がまだ信憑性があるな!」
人の噂も七十五日…というが、飽きっぽい日本人が七十五日もこの会話を引っ張る者は殆どいなかった。
3日も過ぎれば、話は子傘原島で発見された行方不明者の方に話がすり替わっているのだった。
俺は休み時間にスマホのニュースを見ていて、行方不明になった者達が1人ずつ紹介されているのを見て微笑んだ。
「朔夜…嬉しそうだな?」
「あぁ…もう会えないと思っていた奴等が生きて戻って来てくれたからな。」
「会いにはいかないのか?」
「悠斗も知っていると思うが、この世界でアップデートされただろ? 中学生時代の奴等はともかく、学校全体で消えた奴等には俺の記憶はほとんどないさ。」
警察関係も行方不明者が突然戻って来た事で対処に追われている。
八木蓋刑事も駆り出されているらしく…俺に構う時間はないみたいで、接触はしてきていない。
それ自体はありがたい事なのだが…ヒーロースーツのままで警察署を飛び出した後がどう改変されているのかが気になるといえば少し気になった。
「これで…もう平和な日が続いて行くな!」
「そうだな…朔夜、お疲れ様!」
「あと…問題があるとすれば?」
「何かあるのか?」
俺は悠斗にセルリアとレナリアに指を指した。
「そういえば…改変した世界では、2人に手を出した事になっているんだっけか?」
「どこまで手を出しているかが全く解らないんだよ! 本人達に聞ける訳も無いしな…」
「何でだ? 素直に聞いてみれば良いだろう?」
「どうやって聞くんだよ⁉ 俺は覚えてないんだけど…俺は二人にどこまで手を出したっけ?って聞くのか?」
「確かに…手を出した事を覚えていなくて、それを聞いてきたら最低だな。」
俺は何度も記憶を辿ってみるが、その情報だけは引き出せなかった。
多分…神々達が面白がってやっている事なんだろうと思うけど?
「本当に魔法で拘束してから…手を出すか!」
「朔夜…セルリアの親父さんに殺されるぞ! 幾ら親公認とはいってもだ!」
「だよなぁ…? 本当にどこまで手を出したのかが聞きたいが…」
「意外と些細な物だったりとか? セルリアに告白をしてから、ルナリアにも告白したとか?」
「そんな事で怒るか?」
「いや、怒るだろう…? 両方に告白をして、セルリアにルナリアには内緒でと言ってから、ルナリアにはセルリアには内緒だとか言って二股が発覚したら…」
「確かに修羅場になるな! どうしよ…?」
「貸しで良いなら…自分が何とかしてやろうか?」
「本当か、悠斗?」
「その代わり…貸しだぞ!」
そう言った後にすぐ予鈴が鳴ったので席に着いた。
これで…上手く行くのなら安い物だろう。
俺は安堵の息を吐くと同時に、妙な不安に襲われ始めた。
「何なんだ、この気配は? 魔の者の気配か⁉」
どうやら元の世界に帰っても、平穏な生活は望めないらしい。
もう…異世界召喚云々は起きないと思うと、気が楽になっていた。
俺はベッドから起き上がり、居間に行ってから兄妹達に挨拶をした…が、全員から一斉に睨まれた。
昨日の話の続きをすると…こうだった。
以前にこの世界に帰った時に、セルリアの服を脱がせてからお腹やパンツを脱がして足を開かせるという行為は無かった事になっていた。
それは良かったのだが…セルリアとルナリアの2人に手を出していた事が発覚して、セルリアとルナリアが家に押し掛けて来た所に俺が帰宅…その後は身に覚えが無い事で非難を浴びるという結果になった。
いつもながらの事で記憶が全くないので言い訳も通らなかった。
「これも神の差し金か? この状況を楽しんでいるとしたら…本当に性質の悪い奴等だな!」
あの神々達ならあり得そうだな…?
俺の事をゲームの駒としてしか見て居ないからな!
今度にまた天界に行ける事があったら…アイツら全員ぶっ飛ばそう‼
…と俺は心に決めていた。
そして異世界召喚から帰って来た美紅や真美や悠斗は…
屋上にいる所を発見されて、最初は色々と説明を受けていた。
警察の話では、何処かの無人島にいたが…気が付くと屋上にいたという話をするとそれ以上聞かれる事は無かったが、代わりにクラスメート達に質問攻めにあったという。
昼休みになり、悠斗達は他のクラスの奴からも質問をされそうになったが、上手く屋上に連れて行くと疲弊した様な顔をしていた。
「休み時間の旅にこれじゃあ…」
「もう、いい加減にして欲しいわ!」
「私も嘘を付くのはあまり気が載らないけどね…」
「解るだろ? 俺も今迄に同じ質問を警察に散々されていたんだよ。 他にも学校の奴等とかな。」
「あぁ、自分の立場になって苦労が分かったよ。」
俺はパンを齧りながらネットを見ると、緊急放送という告知を見付けて再生した。
するとニュースで、今迄行方不明になっていた者達が子傘原島で発見されるというニュースが流れていた。
他の3人もスマホでそのニュースを見て居た。
すると正義が出ていて、正義は今迄に異世界にいたという話をしていた。
「やっぱり…正義も復活していたんだね?」
「あいつ…異世界に居たとか話しているぞ!」
「おかしいな…? 神達には、異世界で死んだ者達の記憶は消して戻してくれと伝えておいたんだけどな?」
「異世界で勇者だったのに仲間に殺された話をし始めたよ?」
俺達の名前を出していない所を見ると、正義の事だから…恐らく学校で暴露するつもりなんだろう。
さてと…しばらくすれば戻って来るとは思うけど、此方も準備をしておかないとな!
「俺はお前達に…異世界召喚の話を伏せろと言ったよな?」
「あぁ…それで代わりに作った設定を話しているが?」
「正義が戻って来たら、良い機会だから良く見ておくといい! 異世界召喚の話をした人間が、大人達なら呆れて相手をしないが、クラスメート達は最初は面白がって話を聞くけど、その内に飽きられてから中二病と勘違いされ始めるから。」
「学校にいた頃の正義なら絶対にそんな事を言わなそうだけど、向こうで性格が変わった正義なら何かを口走りそうだな?」
「お前達はあくまでも、無人島の設定を貫き通せ! 異世界召喚よりも知らない内に無人島に運ばれて生活をしていたという話の方がまだ信憑性がある。」
「確かにね、これが小学生とかなら…でも、小学生でも同じ話を何度もされたらその内に飽きられるか!」
「小学生とかなら、なら魔法を使ってみろよ~とか言って使えないと非難されるだろうからな。」
それから3日後になって、正義は学校に登校して来た。
そしてクラスメート達がいる中で、悠斗達と一緒に異世界召喚した話をし始めた。
更に俺に指を指して…
「僕は向こうの世界で勇者に選ばれたんだけど、それを妬んだ朔夜に刺されて殺されたんだ!」
…という話をしていた。
最初はクラスメートに俺は注目を浴びたが、次の言葉でクラスメート達は正気に戻った。
「お前の話が本当だとしてだ! じゃあ、何故殺された人間が目の前で生きているんだ? お前はゾンビか何かなのか?」
俺が真顔でそう言うと、正義はただのホラ吹きで痛い奴みたいな目で見られ始めた。
だが…正義は諦めずに机に上がって言い出した。
「僕が生きているのは、勇者の加護があるからだ! それを証明してやる‼」
そう言って…正義は窓から飛んで行った。
正義は…忘れていた。
異世界召喚が行われる前は、俺達の教室は2階にあったのだが…帰還してからは4階が俺達のクラスになっている事に。
なので当然、何の力も持たない者が4階から飛び降りて…死にはしなかったが、複雑骨折で入院する羽目になった。
それ以降…クラスでの正義の立場は、中二病を拗らせた危ない奴として扱われる様になった。
「なぁ、悠斗…これで分かったろ? 異世界召喚を話をした奴がどういう扱いを受けるかと。」
「あぁ…良く解った。 これなら確かに無人島に運ばれて生活をしていたという話の方がまだ信憑性があるな!」
人の噂も七十五日…というが、飽きっぽい日本人が七十五日もこの会話を引っ張る者は殆どいなかった。
3日も過ぎれば、話は子傘原島で発見された行方不明者の方に話がすり替わっているのだった。
俺は休み時間にスマホのニュースを見ていて、行方不明になった者達が1人ずつ紹介されているのを見て微笑んだ。
「朔夜…嬉しそうだな?」
「あぁ…もう会えないと思っていた奴等が生きて戻って来てくれたからな。」
「会いにはいかないのか?」
「悠斗も知っていると思うが、この世界でアップデートされただろ? 中学生時代の奴等はともかく、学校全体で消えた奴等には俺の記憶はほとんどないさ。」
警察関係も行方不明者が突然戻って来た事で対処に追われている。
八木蓋刑事も駆り出されているらしく…俺に構う時間はないみたいで、接触はしてきていない。
それ自体はありがたい事なのだが…ヒーロースーツのままで警察署を飛び出した後がどう改変されているのかが気になるといえば少し気になった。
「これで…もう平和な日が続いて行くな!」
「そうだな…朔夜、お疲れ様!」
「あと…問題があるとすれば?」
「何かあるのか?」
俺は悠斗にセルリアとレナリアに指を指した。
「そういえば…改変した世界では、2人に手を出した事になっているんだっけか?」
「どこまで手を出しているかが全く解らないんだよ! 本人達に聞ける訳も無いしな…」
「何でだ? 素直に聞いてみれば良いだろう?」
「どうやって聞くんだよ⁉ 俺は覚えてないんだけど…俺は二人にどこまで手を出したっけ?って聞くのか?」
「確かに…手を出した事を覚えていなくて、それを聞いてきたら最低だな。」
俺は何度も記憶を辿ってみるが、その情報だけは引き出せなかった。
多分…神々達が面白がってやっている事なんだろうと思うけど?
「本当に魔法で拘束してから…手を出すか!」
「朔夜…セルリアの親父さんに殺されるぞ! 幾ら親公認とはいってもだ!」
「だよなぁ…? 本当にどこまで手を出したのかが聞きたいが…」
「意外と些細な物だったりとか? セルリアに告白をしてから、ルナリアにも告白したとか?」
「そんな事で怒るか?」
「いや、怒るだろう…? 両方に告白をして、セルリアにルナリアには内緒でと言ってから、ルナリアにはセルリアには内緒だとか言って二股が発覚したら…」
「確かに修羅場になるな! どうしよ…?」
「貸しで良いなら…自分が何とかしてやろうか?」
「本当か、悠斗?」
「その代わり…貸しだぞ!」
そう言った後にすぐ予鈴が鳴ったので席に着いた。
これで…上手く行くのなら安い物だろう。
俺は安堵の息を吐くと同時に、妙な不安に襲われ始めた。
「何なんだ、この気配は? 魔の者の気配か⁉」
どうやら元の世界に帰っても、平穏な生活は望めないらしい。
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