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第四章 学園生活編

第四話 潜入調査?

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 閃光戦士・ライトブリンガーとなって既に3日過ぎた。
 悪霊や妖怪の討伐数もそれなりにこなしていた。
 まぁ…学校に行ってないから、暇潰しに片っ端から狩っているだけだった。
 悪霊や妖怪は、何も夜だけ動く訳では無い。
 人に寄り付かない場所では、昼間でも活動しているのである。

 「それにしても悪霊や妖怪って、あの程度の姿をしていたのか? まだ異世界のレイスやスペクター、妖魔の方が姿は凶悪で恐かった気がするぞ!」

 異世界でアンデットや妖魔を見過ぎて免疫や耐性が付いたんだろうな?
 日本の悪霊や妖怪を見てもちっとも恐くはなかった。
 ただ…倒した者の中に、以前感じた魔の者は居なかった。
 あの時に感じた気配は…恐らく他県の物だったんだろう。
 他県であれほどの気配を放つということは、それなりの相手なんだろうか?

 「一般の住宅街とかなら問題は無いが…公共施設や教育機関だったりすると厄介だな?」

 俺は索敵魔法を広範囲に展開した。
 そして地図を照らし合わせながら確認をすると、反応は隣の県の高校から反応があった。

 「此処は…獅堂学園か? 確か…1位か2位を争う進学校だった筈? その中となると…転校生として潜り込むしか無いな。」

 流石に本名で潜り込む訳には行かない。
 他にも書類やらなんやらが必要になるだろうけど…?
 悠斗に聞いてみるか…それとも、協力者に頼むか?
 親父に頼めれば一番手っ取り早いんだが…流石にあれだけ啖呵を切って家出しておいて頼める訳もないな。
 だとすると…?
 俺は悠斗が来るまで待った。
 そして他県で反応がある事を告げてから、その場所が獅堂学園という事を話すと…

 「獅堂学園か…朔夜は此処に潜入したいのか?」
 「あぁ! なんとか手続きを取ってくれないか?」
 「獅堂学園の校長は、自分の親父の親戚なので…頼めば入れてもらえる可能性もあるが、どうやって話す?」
 「事前に少し調査してみようと思う。 あれだけ大きな反応だと、失踪者とかいるかも知れないからな!」
 
 朔夜はナイトストーカーズを呼び寄せてから、反応が強い地域に偵察を命じた。
 ナイトストーカーズのレベルは100前後だが、この世界で敵う者はそうはいない筈?
 すると…報告を待っている間に悠斗が真美からのメッセージが届いた事を言った。

 「真美がセルリアから聞いたらしいんだが、朔夜の家族が警察に捜索願いを出したそうだ。」
 「俺は戻る気はないから探すなと言っておいたんだけどな?」
 「成人なら多少の家出は問題無いだろうが、未成年だからな。 お金も持っている様には見えなかったんだろう?」
 「お金は…真木野さんが用立ててくれるまでは確かに余り無いな。 金の延べ棒なら市場がひっくり返るくらいに作れるけど?」
 「まぁ、アレだけの量があれば問題は無いだろうな?」

 俺はこの世界に通帳があるにはある。
 ただ…使った記憶がほとんど無い。
 確か12歳くらいの時に天体望遠鏡が欲しくて金を貯めていたと記憶しているが…
 今幾ら貯まっているのだろう?

 「捜索願いは厄介だな? 別に変身魔法があるから姿を誤魔化せば問題無いから別に良いんだが。」
 「本当に朔夜は、色んな魔法があるな?」
 「何種類あるか覚えてないからな。 確か1000位あった気がするけど?」
 「どんな魔法があるんだ?」
 「攻撃魔法が三割、補助魔法が三割、生活や日常魔法が三割、その他一割…」
 「自分に譲渡した魔法は何割だ?」
 「悠斗には、本の一割だよ。 多分二割位を譲渡したら、脳が破裂しただろう。」
 「サラッと怖い事を言うな! しかし…これで一割なのか? なんでも出来そうな気がするが。」
 
 悠斗は目を閉じてから瞑想を始めた。
 すると…突然目を見開いて言って来た。

 「いま自分の使える魔法を検索していたら…魅了魔法というのがあったんだが? 何に使うんだ、これ?」
 「真美に使ってみると良い。 魅了魔法を使われた者は、使っていた時の記憶が無いから…エロい事をしても覚えて無いぞ!」
 「自分はそんな事をするか‼︎」
 「冗談だ! 魅了魔法は、尋問に使える魔法だよ。 どんなに心の奥底にある記憶ですら、探ることが出来る。」
 「なるほど…そういう効果の魔法か!」
 「他にも短時間なら命令して操ることも出来る。 異世界の時は…悪党の仲間割れに使った事があったな。」
 「こっちでは使い道は無さそうだな?」
 「美紅に使ってみるというのも良いかもしれないぞ! 俺は結局のところ、追及は出来なかったが…あの呼び出しの手紙は美紅の字だったしな。 今となってはどうでも良いが…」
  
 他にもセルリアとルナリアに使用して真実を突きとめるという手もあるが…恐らくだが、あのグヴェリオンの仕業だろうし深くは追及しない事にした。
 …というか、他の星の神が干渉しいているのに、地球の神は何をしているのだろうか?
 
 「朔夜、他にも避妊魔法というのがあるのだが?」
 「性行為をして子供が出来なくなるための魔法だよ。」
 「それ…使った事があるのか?」
 「30人位に使った事があるな…って、露骨に引くな! そういう目的で使った訳じゃない!」
 「なら…どういう目的で使ったんだよ⁉」
 「魔物の中には、人間の女性を攫って性行為をした後に子供を作るという事をする魔物もいてな。 女性冒険者は、それを防ぐ為に避妊魔法を掛けてくれという者も結構いるんだよ。 ただこの魔法は、使い手があまりいなくて馬鹿高い金を取る奴が多いから、小遣い稼ぎの為に魔法を作ったんだよ。」
 「なんだ、魅了魔法でいう事を聞かせてから性行為に及び為に開発したのかと思った。」
 「悠斗…お前は俺を何かと勘違いしてない…ん?」

 俺の前にナイトストーカーズが姿を現した。
 ただ、10体居た筈のナイトストーカーズが7体しかいなかった。

 「数が足りないが…何があった?」
 「主様、申し訳ありませぬ…思った以上に強敵で、3人がやられました。」

 ナイトストーカーズは3つの黒い球を俺に渡すと、俺は3つの為に闇魔法を込めた。
 すると、3体は復活して目の前に現れた。

 「何があったか話してくれ!」
 「主様、感謝を申し上げます! 我等は獅堂学園に潜入した所…とんでもない化け物に遭遇したのです!」
 「お前等の強さで化け物という位だから、相当な奴なんだな?」
 「正直に言いますと…我等を倒したのは、この世界のモノというよりも…あちらの世界のモノに近い感じがしました。」
 
 あちら側異世界に近い存在の…って事になると、魔物の可能性が高いな。
 さすがの神共でも、地球の神を掻い潜って干渉は出来ない筈?
 だとすれば…?
 元々いる固有種が異常な進化を遂げたか…もしくは、俺達以外の召喚者が別にいるかだが?
 仮に俺達以外の召喚者がいた場合、強い魔物を使役していて、狙っている場所が学園の中というのも変な話だな。
 力を誇示したいのなら、適当に暴れる様に仕向ける筈だが?

 「悠斗、やはり転校はした方が良いかもな。 今は夜に潜入したナイトストーカーズが返り討ちに遭ったが、昼間はどうしているのかを探る必要がある。」
 「だな…親父経由から叔父さんに連絡を取ってみるよ。 上手く言えば、叔父さんからも話が聞けるかもしれない。」
 
 悠斗は真木野さん経由で、獅堂学園の校長である叔父に連絡を取った。
 翌日、悠斗と共に獅堂学園に向かった俺達だったが…学園内は結構な数の厄介事が起こっているのだった。
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