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第四章 学園生活編
第五話 獅堂学園
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俺と悠斗は、獅堂学園の校長室に向かう為に学園の正門に来ていた。
この時点では何も感じなかったが、入り口の守衛室で入校許可を貰ってから門を潜ると、何か得体の知れない気配が感じたのだった。
「悠斗、気付いたか?」
「これに気付かない程、鈍感じゃないよ。 だけど、これは何なんだ?」
「多分妖気の類だろう。 ナイトストーカーズを倒した所を見ると相当に強いな。」
「これが妖気なのか? 自分のレベルが低いからなのか…悪寒が凄まじい。」
「まぁ、とりあえず…校長室に行こう。」
「朔夜は平気なのか?」
「あぁ、全然! 少し涼しくて気持ち良い位だ。」
「朔夜って…本当に規格外なんだな?」
俺と悠斗は、校舎の中に入ると事務員に案内されて校長室まで案内してくれた。
その途中、俺は悠斗に結界魔法を展開する様に伝えた。
校舎の中に入るとより一層に妖気の強さを感じたからだ。
「ふむ…? 結構強い奴と…それ以外に複数いるな。」
「何故こんな中で生徒達は授業を受けれるんだ⁉」
「俺達の様に魔力がある者や、霊感の能力が高い者は感じているだろうが…それ以外には少し肌寒いとか程度にしか感じないだろうな。」
「朔夜…もしもだけど、もしもこの学園の生徒が犠牲になっているとしたら…霊感が高い奴が狙われていたりしていないか?」
「かもな…それで、中身を喰われてそれが乗り移っている可能性がある。 次の獲物を探す為に…」
「すると、自分がここに居るのは結構不味いのでは?」
「まぁ、俺と違って悠斗に関しては餌が歩いている様にしか見えないだろうからな。 ただ奴等も馬鹿じゃないから、目に見える場所で襲ってきたりはしないさ。」
俺達は話をしながら移動をすると、校長室の前に着いた。
そして扉をノックしてから中に入ると、この学園の校長の獅子神が出迎えてくれた。
「久しいな! 親戚の集まりからすると、正月以来かね…悠斗君!」
「叔父さんもお久しぶりです!」
「それで…そちらは?」
「昨日にお話をした不知火朔夜です。」
「どうも、不知火と申します。」
「おぉ、話は聞いているが…それにしても異世界とはな! 俄かには信じがたい話だが…」
俺と悠斗は、真木野さんに見せた方法で炎を出現させた。
すると校長の獅子神は、全てを理解して説明をし始めた。
話はこうだった。
数か月前から生徒が神隠しの様に突然消えたと思ったら、数日後には何事も無かったように現れたり、今迄は温厚な生徒だった物が突然狂暴になったり、感情が強い者が突然放心したりと。
警察にも相談したが、どれも曖昧な感じで進学校ならではのストレスやプレッシャーによる物だと言ってまともに取り扱わなかったという。
それに、神隠しの生徒のほとんどが学園の寮住んでいる者達で…警察は学校を休んだ物だと解釈をしたという。
「なるほど…それなら警察もまともには取り合わないか。」
「何か解ったのか朔夜?」
「妖怪にも幾つか種類がいてな…神隠しの奴等が何をされたかは本人に会わないと分からないが、放心状態の奴は恐怖心を煽られたんだろう。 妖怪によっては、人々の恐怖を糧にする輩もいるからな。 突然性格が変わったのは、中身を喰われて別の者が乗り移ったんだろう。」
「さっきも言っていたが、中身を喰われたとは?」
「妖怪の中で性質が悪い奴になると、人の魂を喰らってからその器に乗り移って生活をするという奴もいる。」
「何で態々人間に乗り移る?」
「高僧な僧侶や、それなりに高い霊能力者に見抜かれるのを防ぐ為だろう。 そして次の獲物を物色する為のカモフラージュに使う。」
「喰われた魂を元に戻す方法はあるのか?」
「その妖怪が消化が早いか遅いかに掛かっている。 消化が早い奴だと、次の獲物を狙う時間はそれ程に長くは無いだろうし、消化が遅い奴だと次の獲物の時間は年単位で待ち続ける奴もいる。」
「なら…早く手を打たないと!」
「そうだな、低級の妖怪ならすぐに駆除が出来るが…それなりに強い奴だとそうはいかないだろうからな。」
「すぐに駆除って…どうやるんだ?」
「こうするんだよ!」
俺は収納魔法から、聖なる杖とホーリーローブを装着した。
そして学園全体に範囲を決めてから神聖魔法の放った。
「これで…低級の妖怪は払えたと思う。 それ以外の奴等だと、何かしらの反応があるから…悠斗索敵魔法を展開しろ!」
「わかった!」
悠斗は右手から賢者の杖を出現させると、索敵魔法を展開した。
「悠斗、ナイス囮だ!」
「ん? 囮?」
「お前の索敵魔法の余波に気付いた者達が、この場所を目掛けてやってくる。 とはいえ…校長室で暴れるのは少し狭いので、体育館にでも移動するか! 校長、現在体育の授業を行っているクラスは?」
「校庭ではあるが、体育館は使用していない。」
「では校長、体育館の中のイメージをしてくれ!」
俺は校長の頭の中のイメージを転写すると、悠斗と校長と共に体育館へ転移した。
「これが…魔法なのか?」
「悠斗、索敵でこちらに向かって来る反応は幾つある?」
「11…いや、13だ!」
「13人か…結構いるな!」
俺は聖なる杖とホーリーローブを解除すると、聖剣を取り出した。
「朔夜…まさかと思うが、それで生徒を斬るのか?」
「あぁ…ただし、中身だけな。 この聖剣は、肉体は斬れないが中に潜む魔を斬る剣だからな。」
暫くすると、体育館に扉が開いて生徒達が押し寄せて来た。
そして悠斗を見付けると、一斉に悠斗目掛けて襲って来たが…それらを全て斬り伏せると、生徒達は叫び声を上げてから地面に倒れて行った。
「喰われた魂も元に戻ったな…これで問題は片付いたな!」
「だけど、この中にナイトストーカーズを倒した者は居たのか?」
「この中には居なかった…用意周到なのか、慎重なのか…いつになったら現れるんだろうな?」
小説やラノベだと、こういう場合は大体この学園の最高責任者である校長とかに取り付いている物だが、この校長には全くといって良いほどに反応は無かった。
すると、本命は一体どこにいるのだろうか?
そして、その一番の大物が姿を現すのだが…それは意外な場所からやって来たのだった。
この時点では何も感じなかったが、入り口の守衛室で入校許可を貰ってから門を潜ると、何か得体の知れない気配が感じたのだった。
「悠斗、気付いたか?」
「これに気付かない程、鈍感じゃないよ。 だけど、これは何なんだ?」
「多分妖気の類だろう。 ナイトストーカーズを倒した所を見ると相当に強いな。」
「これが妖気なのか? 自分のレベルが低いからなのか…悪寒が凄まじい。」
「まぁ、とりあえず…校長室に行こう。」
「朔夜は平気なのか?」
「あぁ、全然! 少し涼しくて気持ち良い位だ。」
「朔夜って…本当に規格外なんだな?」
俺と悠斗は、校舎の中に入ると事務員に案内されて校長室まで案内してくれた。
その途中、俺は悠斗に結界魔法を展開する様に伝えた。
校舎の中に入るとより一層に妖気の強さを感じたからだ。
「ふむ…? 結構強い奴と…それ以外に複数いるな。」
「何故こんな中で生徒達は授業を受けれるんだ⁉」
「俺達の様に魔力がある者や、霊感の能力が高い者は感じているだろうが…それ以外には少し肌寒いとか程度にしか感じないだろうな。」
「朔夜…もしもだけど、もしもこの学園の生徒が犠牲になっているとしたら…霊感が高い奴が狙われていたりしていないか?」
「かもな…それで、中身を喰われてそれが乗り移っている可能性がある。 次の獲物を探す為に…」
「すると、自分がここに居るのは結構不味いのでは?」
「まぁ、俺と違って悠斗に関しては餌が歩いている様にしか見えないだろうからな。 ただ奴等も馬鹿じゃないから、目に見える場所で襲ってきたりはしないさ。」
俺達は話をしながら移動をすると、校長室の前に着いた。
そして扉をノックしてから中に入ると、この学園の校長の獅子神が出迎えてくれた。
「久しいな! 親戚の集まりからすると、正月以来かね…悠斗君!」
「叔父さんもお久しぶりです!」
「それで…そちらは?」
「昨日にお話をした不知火朔夜です。」
「どうも、不知火と申します。」
「おぉ、話は聞いているが…それにしても異世界とはな! 俄かには信じがたい話だが…」
俺と悠斗は、真木野さんに見せた方法で炎を出現させた。
すると校長の獅子神は、全てを理解して説明をし始めた。
話はこうだった。
数か月前から生徒が神隠しの様に突然消えたと思ったら、数日後には何事も無かったように現れたり、今迄は温厚な生徒だった物が突然狂暴になったり、感情が強い者が突然放心したりと。
警察にも相談したが、どれも曖昧な感じで進学校ならではのストレスやプレッシャーによる物だと言ってまともに取り扱わなかったという。
それに、神隠しの生徒のほとんどが学園の寮住んでいる者達で…警察は学校を休んだ物だと解釈をしたという。
「なるほど…それなら警察もまともには取り合わないか。」
「何か解ったのか朔夜?」
「妖怪にも幾つか種類がいてな…神隠しの奴等が何をされたかは本人に会わないと分からないが、放心状態の奴は恐怖心を煽られたんだろう。 妖怪によっては、人々の恐怖を糧にする輩もいるからな。 突然性格が変わったのは、中身を喰われて別の者が乗り移ったんだろう。」
「さっきも言っていたが、中身を喰われたとは?」
「妖怪の中で性質が悪い奴になると、人の魂を喰らってからその器に乗り移って生活をするという奴もいる。」
「何で態々人間に乗り移る?」
「高僧な僧侶や、それなりに高い霊能力者に見抜かれるのを防ぐ為だろう。 そして次の獲物を物色する為のカモフラージュに使う。」
「喰われた魂を元に戻す方法はあるのか?」
「その妖怪が消化が早いか遅いかに掛かっている。 消化が早い奴だと、次の獲物を狙う時間はそれ程に長くは無いだろうし、消化が遅い奴だと次の獲物の時間は年単位で待ち続ける奴もいる。」
「なら…早く手を打たないと!」
「そうだな、低級の妖怪ならすぐに駆除が出来るが…それなりに強い奴だとそうはいかないだろうからな。」
「すぐに駆除って…どうやるんだ?」
「こうするんだよ!」
俺は収納魔法から、聖なる杖とホーリーローブを装着した。
そして学園全体に範囲を決めてから神聖魔法の放った。
「これで…低級の妖怪は払えたと思う。 それ以外の奴等だと、何かしらの反応があるから…悠斗索敵魔法を展開しろ!」
「わかった!」
悠斗は右手から賢者の杖を出現させると、索敵魔法を展開した。
「悠斗、ナイス囮だ!」
「ん? 囮?」
「お前の索敵魔法の余波に気付いた者達が、この場所を目掛けてやってくる。 とはいえ…校長室で暴れるのは少し狭いので、体育館にでも移動するか! 校長、現在体育の授業を行っているクラスは?」
「校庭ではあるが、体育館は使用していない。」
「では校長、体育館の中のイメージをしてくれ!」
俺は校長の頭の中のイメージを転写すると、悠斗と校長と共に体育館へ転移した。
「これが…魔法なのか?」
「悠斗、索敵でこちらに向かって来る反応は幾つある?」
「11…いや、13だ!」
「13人か…結構いるな!」
俺は聖なる杖とホーリーローブを解除すると、聖剣を取り出した。
「朔夜…まさかと思うが、それで生徒を斬るのか?」
「あぁ…ただし、中身だけな。 この聖剣は、肉体は斬れないが中に潜む魔を斬る剣だからな。」
暫くすると、体育館に扉が開いて生徒達が押し寄せて来た。
そして悠斗を見付けると、一斉に悠斗目掛けて襲って来たが…それらを全て斬り伏せると、生徒達は叫び声を上げてから地面に倒れて行った。
「喰われた魂も元に戻ったな…これで問題は片付いたな!」
「だけど、この中にナイトストーカーズを倒した者は居たのか?」
「この中には居なかった…用意周到なのか、慎重なのか…いつになったら現れるんだろうな?」
小説やラノベだと、こういう場合は大体この学園の最高責任者である校長とかに取り付いている物だが、この校長には全くといって良いほどに反応は無かった。
すると、本命は一体どこにいるのだろうか?
そして、その一番の大物が姿を現すのだが…それは意外な場所からやって来たのだった。
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