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第四章 学園生活編

第九話 妖魔王は誰だ⁉︎(推理してみて下さいね!)

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 ヒーローは遅れてやって来る…では無いが、朔夜はは人が来ていない時間に一番乗りをする訳では無い。
 ほとんどの者達が学校にいる時に行動をしようと決めていた。
 それにはまず、妖魔王の特定が必要なのだが…?
 朔夜はこの学校に来てから1か月しか経ってない。
 そして朔夜はあまり人と関わろうとしてこなかったので、特定に人物以外は誰だか解らない。
 朔夜は【超感覚】というスキルを発動して、ある6人に目星をつけた。
 このスキルによって霊感がある程度高い者達が絞れたからだった。

 「鬼や式神の類を操作するには、それ相応の霊能力が無いと発動は出来ない。 全くのゼロという事はあり得ないのだが…それにしてもこの学校は結構強い霊感を持っている奴が多いな? 磁場の影響か?」

 まぁ…どういう経緯かは知らんが、妖魔王と名乗る位だから名前を捩ったとは…考え難いか!
 よし、鑑定で調べた人物を並べよう。

 1.学年主任・斧鉞 真男おのまさかり さだお・年齢57歳。
 高校教師を数十年のベテランで、常にポーカーフェイス。
 だが、そのポーカーフェイスが若干緩む時がある。
 女子を見る時に、若干…目元がにやけたり、口元が緩む時がある。

 2.保険医・鍬柵 栄治くわさく えいじ・年齢26歳。
 男性保険医でイケメン、女子にも人気があるが…男子にも人気がある。
 学校では、男女関係なく差別する事なく接していて、イケメンだが嫌味が無い。
 だが、朔夜にはどうも胡散臭く映っていて…?

 3.同級生・井戸野 貞子いどの さだこ・年齢16歳。
 特定の友人以外とはあまり話している所を見た事が無い。
 見た目は根暗っぽいし、笑った姿も見た事は無い。
 オカルト系が好きで、それらの雑誌を見ている時は無表情だが、何処か不気味。

 4.上級生・御馬 綾香おうま あやか年齢17歳。
 三年生の女生徒会長で男嫌いで有名な美少女。
 ただ、厳格な性格でこいつが妖魔王とは思えないのだが?
 だけど、あの時のシルエットがどことなく…重なる様な気がするが。
 頭が良くて男嫌いと考えると、やはりこの女なのか?

 5.下級生・綾河 志摩央あやか しまお年齢15歳。
 中二病を患っているオタク男子。
 話によると女子にキモい・ウザい・近寄りたくないというデブな男。
 話し方を考えるとこいつも怪しいが…?
 オタクとかと考えると、そっちの方の知識があると考えた方が良いのだろうか?

 6.同級生・城志摩 美紅じょうしま みくれ年齢17歳。
 異世界組のクラスメートで異世界に行ってから魔力を手に入れた。
 なので、此方に帰って来ても魔力は継続であるのでそれに反応したのだろうが…?
 ただ…美紅にそんな器用な真似が出来るとは思えないし、さすがに美紅だけは無いか。

 この6人…いや、美紅は抜かした5人だが?
 怪しいと言えばどいつも怪しい感じがする。
 そして面白い事に…正義からは何も反応がない。
 この学校付近の病院に入院しているんだが、アイツからは魔力の反応が全くしなかった。
 考えてみると、アイツが戦った所を見て居ないし…レベルも1のままだから魔力を感じないのか。
 仮に正義が犯人…これは絶対にないな。
 自己証明の為に教室から外に向かってダイブする奴が…器用な真似は出来んか。
 まぁ…俺に一番恨みがある奴と言えば正義なんだろうけどな。
 
 「正義がセルリアとルナリアを好きだという話は悠斗からも聞いた事が無いしな。」

 予鈴間近…俺が教室に向かって校舎を歩いていると、関係ない者達は普通に素通りなのだが。
 事情を知っている者達からは驚かれるが、今の所は何の反応がない。
 仕掛けるとしたら教室に入ってから、セルリアとルナリアがいた所で仕掛けるのだけど…どうしたら良いのか正直解らん!

 *朔夜はセルリアやルナリア、真美や美紅に対しては…強気な発言で下品ぽく脅したりするが、実際にはその気がない。 
 あくまでも真面目に行動を起こす為に発破をかけるという感じでの発言で、実際には…そんな度胸もない。
 虚勢を張らないと弱く見られるから、その為の下品発言や下ネタ発言なのだ。
 なので、教室でセルリアとルナリアにキスして抱き寄せる…なんていう計画を立てては見た物の、実際に行動に移せるのかどうか?
 だけど、相手の性格を考えると…セルリアとルナリアの近くにいるか、近くにいる者の筈。
 2人には嫌われるかもしれないがやるしかない‼

 そして朔夜は教室に入ってから、クラスの皆に挨拶をする。
 そこには事情を知っている悠斗と真美がいた。
 俺達はアイコンタクトで2人に合図をすると、真美は警戒し始めて、悠斗は索敵魔法を展開した。
 セルリアとルナリアは、俺の所に近寄って来た。

 「朔夜…ごめんなさい。」
 「朔夜、今迄何処にいたの? 私も姉も心配をして…」

 俺はセルリアを抱き寄せてからキスをした。
 そして舌を絡ませるキスをしてから、ルナリアも抱き寄せてから同じ様にキスをした。
 2人共、最初は嫌がる素振りを見せていたが…抵抗しなくなっていた。

 「たった数日だったけど、2人と離れていて寂しさに気付いたよ。 やっぱり俺は…2人共好きだ!」
 
 俺はそう言うと、教室で見て居た者達は沸き上がった。
 都合が良い事に、目星を付けていた者達が教室の中と廊下で俺達の様子を見て居たのだった。
 そして…強い憎悪の様なドス黒い感情が発せられるのを感じた。
 俺は悠斗を見ると、悠斗の振り向いた方にその強い憎悪を感じた者を見た。

 「よくも…不知火朔夜‼ ボクのセルリアたんとルナリアたんに…2人の女神に‼」
 「お前が妖魔王だったのか⁉」

 先程予測した者達の中に妖魔王は居た。
 一体、妖魔王は誰だったのだろうか?
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