思い遣りある人達小説一覧

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海外で客死した夫の訃報に精神的なダメージを受けた妻の待村久美子は、医者の勧めもあり、学生時代からの友人がやっている安曇野のペンションに療養に行く。 久美子は同じペンションに来ていた榎木紳策と出会い、同じ京都から来ていると云うことで親交を深めていく。 父を亡くした娘の待村沙紀は人生設計の変更を余儀なくされ、大学進学を諦めて銀行に勤めた。専門学校に行くための資金を得て、専門学校を卒業した沙紀はパン職人として独り立ちした。 母が安曇野に行ったあと、独り京都に残された沙紀は仕事だけに打ち込む日々を送っていた。 その日、沙紀は自分が考案したパンを試作する為、何時もより早い時刻の電車に乗って勤務先のパン工房に向かった。 建築設計士の樫原良一は、設計に新たなアイデアを思いつき、早く出社して図面に起こそうと、始発二本目の地下鉄に乗って京都駅に向かう。 地下鉄京都駅のホームで、沙紀は重い二つの大きなバッグを持って改札に向かっていた。 突然、後ろから来た若い男性が有無を言わせずバッグを一つ手に取り、👍手助けをしてくれた。それが良一だった。 久美子と沙紀は、同じ頃にそれぞれが恋に落ちた。ふたりは、榎木紳策と樫原良一を通して多くの心優しいひと達との交友関係ができる。 沙紀の幸せを願う久美子は、自分の恋路を突き進むことが、沙紀の幸せに繋がると思いながら、沙紀に告げるのを迷い、逡巡していた。 ふたりの夫々の交友の輪が、意外な接点で連鎖のように繋がる。その連鎖の中で、思い掛けない幾組かの恋が生まれた。 それぞれの恋愛の中で生じる心配事は、友人たちの心遣いが解決してくれた。 久美子と沙紀の周りには、他人のことを優先して思いやる、優しい心のひと達ばかりだった。全40章 (全てフィクション)
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文字数 92,098 最終更新日 2024.02.22 登録日 2024.02.22
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