心臓移植 小説一覧

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夫が私の移植用心臓を運ぶヘリを愛人の犬に回したので、目覚めた私は彼を知らないふりをした

 宗一郎がシャツの三つ目のボタンを留めたときには、私はもうスマートフォンで銀行アプリを開いていた。  ベッドの脇には女物のワンピースと彼のベルトが散らばっている。神崎美月はホテルのバスローブをまとい、浴室の入り口に立っていた。鎖骨には意味ありげな赤い痕。まるで私に見せつけるために、そこに立っているようだった。  カーテンは完全には閉じられていない。朝の光が絨毯に差し込み、部屋の惨状を残酷なほど鮮明に照らしていた。  初めてこんな場面に出くわしたとき、私は部屋のグラスを叩き割り、宗一郎の胸ぐらをつかんで理由を問い詰めた。  あのときの彼はベッドヘッドにもたれて煙草を吸い、ズボンすらまともに穿かないまま、淡々と言った。 「部屋が暗くて、お前と間違えた」  その後、同じような「人違い」は二度起きた。  それをきっかけに、私たちは書面で取り決めを交わした。不貞行為が一度発覚するたび、離婚成立前の解決金として、彼は私に五百万円を支払う。 「振り込んで」
キャラ文芸 完結 短編
感想数 1 文字数 15,653 最終更新日 2026.07.16 登録日 2026.07.16
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わたしの心臓をあげる(改訂版)

【双子の姉は強くて美人。わたしは重度の心臓病で、夢を抱くことは残酷で傲慢なことなのだ。近未来SF青春】 姉の鈴は星間慰問団と行動するボディーガード。 同僚のジョウは婚約者でもうじき結婚予定だ。 ふたりはわたしに夢をいだけという。 「わたしの心臓をあげる」と姉は言った。 夢を抱くことは誰かの死と引き換えで、残酷で傲慢だ。 だけどささやかな妄想ぐらいは許してほしい。 その夢の中では、わたしは強くて美しい双子の姉となって姉の婚約者のジョウと愛しあうのだ……。
青春 完結 短編
感想数 0 文字数 6,540 最終更新日 2024.07.21 登録日 2024.07.21
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