静かな痛み 小説一覧

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見られているのに、ふれられなかった

指は動いていなかった。 声も、音も、なかった。 それなのに、 わたしのからだの奥に なにかが沈んだ気がした。 あなたの目が、 わたしを “ふれたもの”として 記憶させていった。 見られているだけだったはずなのに。 これは、 語られなかった視線と、 ふれられなかった肌のあいだにのこる、 静かなエロスの記憶。
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