見られているのに、ふれられなかった

指は動いていなかった。
声も、音も、なかった。

それなのに、
わたしのからだの奥に なにかが沈んだ気がした。

あなたの目が、
わたしを “ふれたもの”として 記憶させていった。

見られているだけだったはずなのに。

これは、
語られなかった視線と、
ふれられなかった肌のあいだにのこる、
静かなエロスの記憶。
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