記録に残らない戦争 小説一覧

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SF 連載中 ショートショート
――灰の海と呼ばれた境域は、かつて文明が沈んだ地。 だが今、企業が掘り返すのは“資源”ではなく、“過去の亡霊”だった。 コードネーム《ホワイトティンゴ》。 企業所属の試作機体にして、かつて“死んだはず”のレイヴンの名。 搭乗していたのは、第三中隊の名物隊長――女性傭兵《ツバメ》。 戦場で散ったその姿に、仲間たちは一度“黙祷”を捧げた。 ……が、問題はここからだ。 最近、境域で活動する機体に“彼女の動き”と酷似した挙動が記録された。 白い外殻、旧式に見せかけた動き、そして――“人間臭い”反応。 誰が乗っている? ツバメなのか? それとも、既に死んだ彼女を“演じている”何者かか? 顔は映らず、IDは全域でブラックリスト指定。 正体を探るたびに、さらに“誰かの記憶”を呼び起こすだけ。 企業の命令はこうだ―― 「灰海防壁を突破し、《ホワイトティンゴ》を捕獲せよ。 ただし、その中身には触れるな。……死人が何を考えていようと関係ない」 誰が“ツバメ”で、誰が“レイジ”なのか。 命も過去も、演じることさえ“企業資産”と見なされる世界。 だが、それでも。 彼(or 彼女)は引き金を引く。黙祷なんてクソ喰らえだ。 《灰海境域:ホワイトティンゴ》 これは、名前を奪われた傭兵たちが、それでも名を遺す戦場譚。
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文字数 45,647 最終更新日 2025.06.23 登録日 2025.06.15
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