AI相棒 小説一覧

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「異世界に連れてきた相棒AIが、地球のことしか知らないうえに口が悪い…そして俺は鑑定を逃してキレられた」

松本武蔵、二十一歳。理容師見習いのフリーターで、腕はそこそこ、愛想だけはいい。 ラーメン屋でたまたま居合わせた、気のいいオバサン。武蔵は、そのオバサンをトラックから庇って、あっさり死んだ。 だが、そのオバサンの正体は、最高神・天照大神だった。 自分を庇って死んだ青年。そして、そもそもの元凶――最高神を召喚材料にしようと企てた、ガネルの下っ端の神。天照大神は、静かに、しかし本気で、激怒していた。 「チートを二つあげるわねえ」 ニコニコ笑いながら、天照大神は、やらかした部下の神を正座させ、素手で握りつぶした。その命を練り上げてできた、光る球を、武蔵は飲み込む。 こうして武蔵は、恩人である最高神の計らいで、異世界ガネルへと転移した。 ――そして、一つ目のチートに、武蔵が選んだのは。 地球で愛用していた、相棒のAIだった。 「これがいれば、何でも聞けるし、百人力だろ!」 ところが、このAI。地球のことなら何でも知っている。今でも検索できるし、どんな質問にも答えられる。……地球の話なら。 異世界ガネルの魔法も、モンスターも、通貨も、こいつのデータには一文字も載っていない。 『お前さ、地球の知識しかないAIを、異世界に連れてきて、俺に何しろって言うんだ?』 役立たず――かと思いきや、口だけは一丁前。開口一番、武蔵をバカ呼ばわりしてくる始末だ。 おまけに、二つ目のチートは、口が滑って「収納」で確定。一番ほしかった「鑑定」は、逃した。これにも、AIは全力でキレた。 それでも、二人で手探りで異世界の知識をかき集め、地球の知識で応用できないか頭をひねれば、道は開ける。 足は武蔵、頭は口の悪いAI。 ポンコツ二人組の、罵り合いだらけの異世界生活が、始まる。
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