社会 小説(外部サイト)一覧
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登録日 2025.09.10
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この世界では、長い間人間族は差別に遭い続けてきた。
この世界上では、様々な動物の姿をした、高度な知能を持つ生物、日本で言う、「人間」的な存在のものが生活している。それらは、「民」と呼ばれる。しかし、彼らは人間の姿とは限らず、犬、猫、猿、馬、牛、様々な姿をしており、それぞれ「犬族」「猫族」などと言った風に呼ばれる(この呼び方は”民”種差別に当たるため、廃止が検討されている)。その中でも、人間のような姿をした民は、「人間族」及び「ヒト族」と呼ばれる。
ちなみに、動物と民を見分ける最も簡単な方法は、彼らが四足歩行しているか、二足歩行しているかどうかである。
人間族は、毛が生えているのは頭など一部だけ、など、他の種に比べて特異な点があるために、長い間他の種の民によって差別に遭い続けていた。
その背景として、指先に毛がないことから、細かい作業のために奴隷として駆り出された過去が一つ挙げられる。そのおかげで産業は発展したため、むしろ他の民は人間族に感謝すべきであるが、やはり、その特異な見た目上、差別は決して絶えることがなく、むしろ、近年の機械化によって人間族の良さが失われつつあることで、差別は一層加速していた。
仕事を失った人間族は、行き場を失い、スラム街を形成し始める。差別のせいで都市部のアパート、マンションは軒並み断られるうえ、労働の賃金も安かったためである。
そのスラム街には、他の民は決して近付こうとはせず、その近辺には、ほとんど人間族以外は住んでいない。
ただ、誰もいないというわけではない。そのスラム街に、小さな街が隣接していた。そこには、人間族への配慮があり、人間族への差別を撤廃しようと努力する民の姿があった。
彼らは、人間族のために都市部から食料や日用品、家電、建築資材…あらゆる物を仕入れては、人間族に販売していた。当然、人間族が都市部の店へ行ったところで、入店拒否であるためだ。
では、肝心の人間族は収入をどこから得ているのか…
その街に、とあるIT企業の姿があった。
登録日 2021.02.20
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「清き一票をお願いいたします!」
今回も当選を狙うため、先生は駅前で選挙演説を行っている。
私が尊敬してやまない先生なのだが、髪の生え際が不自然すぎて、不格好だ。見事に浮いている。そのせいか、通りゆく人々から笑われている。
そんな先生を見て、かつらを直すよう、心の中でお願いしていたのだが……
登録日 2023.02.12
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【 異能:知性体に寄生しつつ自己のコードを拡散するように振る舞う情報生命体 】
異能。それは力ではない。
情報であり、構造であり、感染する“記憶”である。
「異能」と呼ばれる情報生命体が日常に浸透した近未来社会。
──だが、ここに戦いは存在しない。
異能は“力”ではなく“構造”であり、誰かを打ち倒すためではなく、
社会の中で“語られ”、“記録され”、“共生される”ことによってのみ生き延びる。
世界はかつて2031年の「異能パンデミック」で崩壊した。
だが、それは人類が新たな生命のかたちと出会った瞬間でもあった。
異能は「認知」によって感染し、「理解」によって発現する。
だからこそ、制御不能な力としてではなく、
倫理と制度と技術によって“扱われる存在”として社会に組み込まれた。
2050年代以降、日本は「異能共生社会」への道を歩み出し、
異能を申告し、分類し、加害可能性を評価する制度が整えられた。
異能の存在を記録し、承認し、透明化することで初めて共存が成り立つ。
この世界では、「強い異能」や「制御が難しい異能」は淘汰される。
社会に適応し、象徴となり、語られ、役に立つ異能だけが生き残る。
異能は道具となり、文化となり、記憶となる。
力が秩序を壊すのではなく、秩序の中で形を変え、社会とともに変容する。
それは、力ではなく機能であり、拡大ではなく共鳴であり、支配ではなく理解である。
物語の主題はただ一つ──「どうすれば異能とともに生きられるか」。
これは、“異能の物語”ではなく、“異能とともにある社会の物語”である。
そしてそれは、異なる価値を持つ者たちが、
記録され、見られ、選び取られながら、それでも“共に生きようとする意思”の記録だ。
登録日 2025.10.07
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土曜日、2時45分――……彼女は捨てに行く、粗大ごみのように自分を。
『金曜日、26時45分、キミと』と同じ設定で描かれた短編です。先に『金曜日~』の方を読んでいただいた方が楽しめるかもしれませんが、単体でも読める作りになっています。『金曜日~』のその後、もしくはパラレルワールドとして楽しんでいただけると嬉しいです。
登録日 2019.03.02
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