ホラー 偏愛 小説一覧
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大学三年、夏。退屈を埋めるための些細な悪ふざけ。
閉鎖された「幽霊マンション」へ足を踏み入れた五人を待っていたのは、光さえも物質として削り取る漆黒の闇だった。
闇を抜け、日常へ帰還したはずの瀬良結希を待っていたのは、決定的な違和感。
事故で失った十五歳の妹、結奈。遺影の中で静止していたはずの彼女が、そこでは「生きた質量」として、温かな吐息を漏らしていた。
喜びに沸く周囲。だが結希だけは気づく。この世界に魂は一つしかない。
私たちがここへ来たのなら、元からいた「私」はどこへ消えたのか。
五感に突き刺さるようなリアリズムで描かれる、実存を賭けた「上書き」の記録。
※生成AI(Gemini)をプロット検討、文章校正などの補助に使用しています。
文字数 39,245
最終更新日 2026.03.01
登録日 2026.02.21
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週に一度、金曜の夕方。僕のもとに届けられる謎めいたクール便。それは、真夏の部屋にしんしんと冷気をまとわせる“幸福の儀式”だった。
中には、真空パックされた“彼女”のパーツたち。指、唇、耳、そして──。
箱を開ける手のひらに伝わる冷たさ、開封のたびに満たされる期待と高揚。
届いた部位はすべて台帳に記録し、冷蔵庫の棚へと分類・保存していく。ラベルとポストイット、マスキングテープで仕分けられた“彼女”の断片。そのどれもが、確かに彼女の面影を宿している気がした。
やがて僕は、失われた“彼女”をもう一度この手で組み立てようと決意する。しかし、送られてくるパーツの中には、時折“本物”ではない異物も混じっていた。
その時は、小瓶に詰めた薬剤で静かに溶かす。
真空パックの肉が泡立ち、白い煙とともに消えていく音。僕は本物だけを集め、“彼女”を再構築するためにパーツの到着を待ち続けた。
文字数 3,640
最終更新日 2025.08.11
登録日 2025.08.11
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