ファンタジー シール 小説一覧

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純幸戦士ラブージュ

純幸戦士ラブージュ
『純幸戦士ラブージュ』プロローグ:雨の日の欠片  激しい雷鳴が轟く、鳳凰学園市(ほうおうがくえんし)の廃工場。  当時、まだ中学生だった**清都 彩(きよと あや)は、姉の清都 結(ゆい)**の背中を必死に追いかけていた。  「お姉ちゃん、待って! 危ないよ!!」  結の腕には、漆黒のバインダーが抱えられていた。それは、世界の命運を左右すると言われる「願いを叶えるシール」――ウィッシュ・シールが収められた財団XGの最高機密。  背後からは、黒いスーツに身を包んだ財団の追手たちが、無機質な足音を響かせて迫っていた。  「彩、これを持って逃げて。……これは、誰かの欲望のために使われていいものじゃないの」  結はバインダーを彩の手に押し付けると、優しく、しかし決然とした微笑みを浮かべた。  その瞬間だった。  工場の中心に、音もなく「穴」が開いた。  それは闇よりも深い、時空の裂け目。  「な……何、これ……!?」  裂け目から伸びた不可視の「腕」が、結の体を容赦なく掴み上げる。  「あ……彩! 怖がらないで。……いつか必ず、そのシールがあなたを導いてくれる……!」  「お姉ちゃん!!」  彩が手を伸ばした瞬間、眩い閃光と共に結の姿は時空の彼方へと消えた。  後に残されたのは、激しい雨の音と、彩の腕の中に残された、中身のほとんどが空になったシール帳(バインダー)だけだった。 四年後――  雨は上がり、空には皮肉なほど綺麗な虹がかかっている。  カフェ『エトワール』のテラス席で、成人した彩は、あの日から肌身離さず持っている銀色のシール帳を見つめていた。  そこには、姉が死に物狂いで奪い取った「希望」の欠片が、わずかに三枚だけ貼られている。  「お姉ちゃん……私はもう、泣いてばかりの子供じゃないよ」  彩は左腕のブレスレットに、一枚のシールを貼り付けた。  『SEAL RELOAD(シール・リロード)』  彼女の瞳に、かつての姉と同じ、強く静かな光が宿る。  姉を奪い、街を汚し続ける財団XG。  彼らとの戦いの果てに、全てのシールが集まった時、あの時空の扉は再び開く。  「私の願いは、ただ一つだけ」  清都彩の、孤独で気高きコレクションの旅が、今、静かに幕を開けた。
ファンタジー 連載中 ショートショート
感想数 0 文字数 20,823 最終更新日 2026.09.21 登録日 2026.09.21
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