恋愛 作曲 小説一覧
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「この世界に、こんなきれいな景色があるなんて……」
何度でも思い出して、胸が熱くなる。
あの時見た景色を、私は一生忘れることはないと思う。
この物語は、あの景色に出会う3か月前から始まる。
音羽奏は、ピアノを弾くために生まれたような少女だったが、ある出来事を境に、ピアノを人前で弾けなくなり、表舞台から遠ざかっていた。
そんなある日、公園の一角にある音楽堂のストリートピアノで奏でた旋律が、人気アイドルグループ「スターライトパレード」のセンター・諏訪セナの耳に届く。
「なぁ、あんた。オレらに曲、書いてくんね?」
出会いは偶然。けれど、彼のひと言が、止まっていた奏の時間を再び動かす。
セナからのオファーで始まった曲作りは、次第に音楽を越えて、ふたりの心を少しずつ近づけていく。
ステージの熱、夜の静けさ、すれ違う視線。
音が繋ぐ関係は、恋にも似た痛みを帯びていく。
けれど、彼は眩しいほどのスターで、彼女はまだ夢の途中にいる高校生。
音楽の世界がふたりに見せる光と影の狭間で、奏は本当に奏でたい音を見つけようともがいていく。
これは、音を信じ、誰かを想うことで前に進む、ひとりの少女とひとりのアイドルの再生と恋の物語。
音は、届く限り、ふたりを繋いでくれる。
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※本作は「小説家になろう」「アルファポリス」にて同時掲載しております。
表紙イラストは、やまいもさんに描いていただきました。
※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。
©︎Starlight Parade / 木風 やまいも
文字数 200,856
最終更新日 2025.10.12
登録日 2025.07.11
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『―――瑞葉、君のヴァイオリンの音色は僕にとっての初恋だ』
修也と瑞葉は西朋高校の音楽科に所属していた。
修也と瑞葉は幼馴染であり、ともに音楽を学んだ仲でもある。
だが、才能とは非情なもので、瑞葉は天才ヴァイオリニストとして名を馳せていたが、修也のピアノはいまいち伸びることがなかった。
だが、瑞葉は「自分の曲を弾きたい」という悩みから、修也はピアノをやめ、作曲を勉強するようになる。
高校2年生の梅雨が明けた夏の日、瑞葉は突然「ウユニ塩湖」に行きたいといい始めた。
高校生であった修也は「まだ無理だろう」と聞き流していた。
そして夏休みとなり、地元の夏祭り日。
瑞葉は交通事故に巻き込まれた。
車に同乗していた両親、そして弟は即死。彼女は右腕を失う大事故となってしまう。
修也は彼女を助けようとしたが、もはやそれが叶うことなく、彼女は術後すぐに病院の屋上から自殺してしまう。
修也はあまりのショックで、彼女のために書き上げた楽譜をすべてしまい込み、そして人生すらも塞ぎ込んでしまった。
それから3年が経ち、修也のアルバイトをするイタリアンレストランで、星宮という音大に通うピアニストと出会う―――
文字数 8,595
最終更新日 2021.01.04
登録日 2021.01.04
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