キャラ文芸 幼なじみと再会 小説一覧
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国民的アイドルグループ『dulcis〈ドゥルキス〉』のメンバー、サクヤ。
世間では「ツンデレ王子」として絶大な人気を誇る彼は、私にとっては中学校の同級生。アイドルになる前、同じダンススクールで切磋琢磨した特別な存在だった。
けれど、大人になって再会した今は、ただのゲーム仲間。
二人きりで過ごしていても、深夜2時になると決まって「さっさと帰れ」と冷たく追い出される始末。
——それが、私たちの当たり前だった。
それなのに、ある夜。
突然キスされて戸惑う小春。だけどサクヤの態度は相変わらずで、何もなかったかのように振る舞う。
近いのに遠い、曖昧な関係。
私はずっと、サクヤにとって“女として見られていない、都合の良い相手”なのだと思っていた。
現実の切なさを癒やしてくれるのは、オンラインゲームの世界。
そこで出会った東洋風のアバターの彼は、いつも献身的に私を守り、優しく寄り添ってくれる存在だった。
私は知らないうちに、その彼にばかり本音をこぼすようになっていた。
もう、この苦しい恋から卒業したい。
そう決めてサクヤからの連絡を断つと、職場の問い合わせに、サクヤを思わせる人物から連絡が届く。そこには、『ピンクのパンダ』というキーワードが添えられていた。
ゲームの世界で彼が連れていたオトモが、ピンクのパンダだった。
心機一転と参加した合コンの帰り。
部屋の前にいたのは、サクヤだった。
「いい加減気づけよ、鈍感」とサクヤは言う。
現実でも、ゲームでも。サクヤはずっとそばにいたのに。
深夜2時に伝えたかったのは「帰れ」ではなく——「帰らないで」だったなんて。
ツンデレだけど実は一途で不器用なトップアイドルに、私はずっと愛されていたなんて。
〈登場人物〉
◆サクヤ (24)
人気アイドルグループ『dulcis〈ドゥルキス〉』のメンバー。世間ではクールな「ツンデレ王子」として知られる。子供の頃、ダンススクールの講師・才加に憧れていたが、同時に同じダンス仲間の小春の存在が胸に深く刻まれていた。大人になっても素直になれず、ゲーム内では正体を隠して小春を過保護に守り続けている。
◆朝倉小春(24)
サクヤの中学時代の同級生。派遣スタッフとしてペット用品のカスタマーセンターで働く傍ら、古巣のダンススクールで講師も務める。サクヤの才加への想いを知っているため、自分のことは「都合の良いゲーム仲間」だと思い込んでいる超絶鈍感女子。
◆才加(35)
サクヤと小春が通っていたキッズダンススクールの講師。亡き父の跡を継ぎ現在はスタジオオーナー。
1児の母で現在二人目を妊娠中。生徒から慕われる女性。
※表紙は挿絵はAI生成
文字数 3,019
最終更新日 2026.04.04
登録日 2026.04.04
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