ライト文芸 写真家 小説一覧

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冠の花は、まだ咲き終わらない

「完璧じゃないものを、わざわざ残す意味なんてないでしょう」 完璧な一枚を追い求める写真家・御厨璃子は、閉園を迎える故郷の植物園を記録するため、十五年ぶりに町へ戻ってきた。 そこで出会ったのは、蕾、満開の花、そして咲き終わろうとする花を一本の茎に同時に抱く、不思議な花「パイナップルリリー」。 花言葉は「完璧」「完全」。 そしてその花には、亡き祖母が残した小さな言い伝えがあった。 「昨日咲いた花も、今日咲く花も、明日咲く花も、全部合わせて一本の花なんだから」 言えなかった謝罪。 取り戻せない時間。 完璧になるまで帰れなかった自分。 一輪の花と一枚の写真が、璃子に問いかける。 本当の「完全」とは、いったい何なのか。 パイナップルリリーの花言葉から紡ぐ、後悔と記憶、そして再生の物語。
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