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振り返ると、雪に覆われた険しい峰々間から朝日が昇り始めていた。 背後に飛竜の姿は見えない、追手は振り切れたようだ。 「ムーラ、ご苦労様。あそこの渓谷で少し休みましょう」 ”クー” 鎧を脱ぎ捨て、水量の豊かな滝壺で身体を洗う、冷たい水が気持ち良い。 剣は万が一を考えて脇の岩の上に置いておく。 その気配は突然目の前の深みに現れ、そして私の足を這い登って来た。 油断だとは思わない、本当に突然現れたのだ。 黒髪の裸の少年だった、私の下腹部に顔を付け、尻を両手で鷲掴みにしている。 一瞬何が起こっているのか判らなかった。 何の魔力の気配も無いど平民だ。 我に返った瞬間、羞恥と怒りで全身が燃え上がる様に熱くなった。 少年を蹴り飛ばして剣を手に取る。 このままでは私の純血が疑われてしまう。 こいつを抹消して、全てを無かったことにしよう。
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文字数 25,300 最終更新日 2018.08.18 登録日 2018.07.16
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