読書力 小説一覧
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地角町図書館は、M県地角町の、ごく普通の公立図書館である。
不定期に企画展示が行われるのは、他の図書館と異なるところはない。
しかし、その企画展示を"最終攻略"すると、未来の出来事に関する情報を1つ得ることができる。
参加する権利は住民だけに与えられるため、密かに住民登録する者が後を絶たない。
社会人1年目の晴山奏太もその1人であり、念願の独り暮らしで権利を得、今回初めて参加した。
情報が何もないまま飛び込んだ地下書庫では、どこまでも書架が続き、疲れた奏太はふと図鑑を手に取る。
すると、図鑑上の"恐竜"が姿を現した。
現代にはいないはずのそれから奏太は逃げるが、倒れて来た書架で負傷し、"恐竜"に追いつかれてしまう。
もう終わりだ、と覚悟したところに、「大丈夫ですか」と女の声がして、目を開けると"恐竜"はいなくなっていた。
怪我の痛みは酷く、大学1年生の川上小夜に、リタイアを強く勧められるも、強く拒んで前進を決める。
参加経験があるという彼女の、ではせめて一緒に行くという申出をありがたく受け、2人は書庫を進み始める。
でも何だかおかしい。
階を下るたびに、さまざまな形態の書庫に、迷路、謎解き、トラップが掛け合わされたダンジョンで、延々と走らされたり、頭を使わされたり、時には身の危険も感じながらも、現実にはあり得ない化け物、あり得ない現象を次々とクリアできていく。
企画展示で通用するのは本の力、本に対する思い入れの力だという。
参加者なら誰でも使える力だと小夜は請け合うが、本当にそうなのだろうか。
途中で絡んで来たチャラい男が言った、「お前さあ、あの女が誰だか知らねーの?」と。
知らないけど、このまま行けばもしかして、最終攻略を達成できちゃうんじゃないの、俺?
一旦「完結」にしていますが、続きの構想があります。
文字数 69,520
最終更新日 2025.07.05
登録日 2025.04.28
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