別府 小説一覧

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大衆娯楽 連載中 短編
別府の蕎麦屋・つむぎ庵を開いて一ヶ月。亡き父・正蔵の蕎麦を守ることに懸命だった紬は、常連の田中さんからひと言を告げられる。「蕎麦は近づいてきてる。でも、つゆが違う」 父のつゆのレシピは、誰も知らなかった。正蔵は生涯、厨房でひとりでつゆを仕込んでいた。弟子の耕二にさえ、教えなかった。 残されたのは、三十年飲み続けた田中さんの「体の記憶」だけ。 紬は田中さんの言葉を頼りに、耕二の知識を借りて、毎日つゆと向き合い始める。羅臼昆布、本枯れ鰹節、そして宗田鰹。返しを寝かせる日々。少しずつ近づいて、また遠ざかる。 誰かの体に残っていた味が、三人の間でゆっくりと形を取り戻していく。 父が言葉にしなかったものを、言葉にならないまま受け継ぐ、四話完結の番外編。
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文字数 1,783 最終更新日 2026.05.18 登録日 2026.05.18
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