王宮猫官 小説一覧

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閑職と解雇されましたので、猫の居心地は保証いたしません

わたくし、ミオネット。代々、王宮の食糧庫と書庫を鼠から守る猫百二十匹の世話係――「王宮猫官」でございます。 ……でしたの。「猫にエサをやるだけの閑職」と嗤われ、予算削減で解雇されましたのよ。二百枚の引き継ぎ書は、読まれもせず文鎮に。 けれど、ご存じかしら。犬は人につき、猫は家につくと申しますでしょう? 猫がつくのは――「居心地のいい家」だけですのよ。 餌の時間は狂い、爪の手入れは絶え、お気に入りの寝床は「無駄」と片付けられ。猫は騒がず、抗議もせず、一匹、また一匹と、静かに王宮から消えていきますの。そして三月後、食糧庫は鼠に破られ、古文書はかじられ、厨房には虫が湧き――。 一方その頃わたくしは、まっすぐな古書修復師ジャコモ様と、下町で書庫兼宿屋「灰青堂」を開いておりましたわ。すると消えたはずの猫たちが、一匹ずつ「勝手に」集まってまいりますのよ。 わたくし、一匹も呼んでおりませんのに。……家を、居心地よくしただけで。 復讐はいたしませんわ。手も汚しませんの。だって猫は正直ですもの――居心地を作った人の側に、つきますのよ。もふもふ大増量。
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感想数 0 文字数 5,082 最終更新日 2026.08.18 登録日 2026.08.18
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