飢饉 小説一覧
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3件
1
麦を育てる者を下賤とお呼び? 麦のない冬を、お試しくださいませ
公爵令嬢リーディア・グランフェルトには、誰にも言えない秘密があった。彼女には植物の「声」——厳密には気配——が聴こえる。弱った麦が水を欲しがる声。霜を恐れる葡萄の震え。その才で、彼女は十年かけて王国の主要穀物を改良し、飢饉のない十年を作った。
しかし婚約者の第一王子は「土いじりは下賤な農婦の仕事。公爵令嬢の威厳を汚す」と激怒し、婚約を破棄。
「そうですか」——リーディアは一粒の種すら持ち出さず、ただ辺境の小さな麦畑へと旅立つ。
翌春、王国中の麦が一斉に病に罹った。誰もその兆候を読めなかった。葡萄は霜で枯れ、芋は腐った。王国史上最悪の飢饉が始まる。
辺境で待っていた辺境伯は、リーディアに一つだけ聞いた。「君の畑の麦は、なぜ健やかなんだ?」
「声を聴いているだけですわ」
感想数 1
文字数 11,635
最終更新日 2026.05.02
登録日 2026.05.02
2
黄金の辺境 〜スラムの孤児に転生した俺が、誰も要らない土地を継いだ日から〜
前世は過疎自治体の再生に潰された地方公務員だった。目覚めたら、雨漏りのする孤児院の藁の上——王都のスラムだ。文字も読めず、剣も振れず、魔法の才もない。あるのは「死んだ土地をどう生かすか」という、ただ一つの職能だけ。
十二歳、口減らしで売られた先は、飢饉と盗賊で人が逃げ出した“呪われた辺境”。誰も要らない、捨てられた谷だった。だが俺の目には、ただの荒野には見えなかった。涸れた川は治水で戻る。痩せた畑は輪作で甦る。そして人は——「次の冬を越せる」と分かれば、必ず帰ってくる。
帳簿一冊と、井戸一本。そこから十年。荒れ果てた谷は、いつしか王国一の穀倉に変わっていた。
そんなある日、辺境に王家の密使が現れる。なぜ、この豊かなはずの土地は、王国の地図から消されていたのか——。
感想数 0
文字数 68,379
最終更新日 2026.05.24
登録日 2026.05.18
3
理葬境
戦の時代、小国同士が争い陣地を広げていたような頃の物語――
大国を築いた国王は飢饉により多くの民を犠牲にした。納税を厳しくした結果、民たちは苦しみ死んでいった。一方、王城や城下町で暮らす人々にはきちんとした食料が分け与えられていた。
飢饉は収まらず、国王は大臣達に何か案を出すように命じる。そして、一人の大臣の案が採用され、数ヶ月、数年後には何とか持ち直すことが出来た――
この物語の始まりはここから……
ある日、国王は息子に自分の寿命が短いことを告げる。
国王が亡くなってから、町や村では「悪夢」という得体の知れないものが噂されるようになった。
大臣の一人、剛昌は急死する前の国王の異変に気が付き調査を進めていくが……。
これは理弔と呼ばれる村が出来るまでの物語……。
登場人物たちの過去からこの先に待ち受ける未来までを描いた儚き物語……。
そして、この物語の本質は登場人物たち全員が主人公となり「死者の為に紡ぐ物語」であるということ。
感想数 0
文字数 133,958
最終更新日 2020.06.07
登録日 2020.05.25
3件