「介」の検索結果

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現代文学 連載中 短編
何年も会っていなかった男から、犬が死んだというメールが届いた。 その犬を迎えに行った日、僕は彼の隣にいた。母の在宅介護に追われ、恋人を失い、仕事まで変えざるを得なかった頃のことだ。 仕事の相談を口実に再会した彼は、やがて僕の家へ来るようになり、近所へ越してきた。人を遠ざける母が、なぜか彼だけは可愛がり、僕がいない午後には話し相手までしてもらっていた。 「ピーくんがいるから、あんたは出かけてもいいよ」 母がそう言った日、僕は少しだけ自由になり、少しだけ寂しかった。 家族でも恋人でもない。けれど僕らは、母のいる家と犬のいる家の鍵を持ち合っていた。 黙って去った親友を、僕は責めなかった。だから彼は、犬の死だけは伝えてくれたのかもしれない。 これは、名前のつかない十年弱の時間をめぐる、男二人の相棒譚。
大賞ポイント 3pt
文字数 4,962 最終更新日 2026.07.13 登録日 2026.06.29
現代文学 完結 短編
かつてヨーロッパを飛び回ったベテラン添乗員・宮原正司、六十三歳。 だが時代は変わり、団体旅行の時代は終わろうとしていた。 勤めていた旅行会社の倒産が決まり、彼に残された最後の仕事は―― 『昭和の思い出を巡る日本縦断バスツアー』 参加者はわずか七名。 熟年離婚寸前の夫婦。亡き妻を忘れられない元教師。 介護に疲れ果てた女性。 そして、過去を抱えた車椅子の老人――加賀谷。 冬の日本を北から南へ走る旅の中で、乗客たちはそれぞれ人生の「置き忘れ」と向き合っていく。 一方、宮原自身もまた、三十年前にドイツで出会った女性への後悔を胸に秘めていた。 これは単なる観光旅行ではない。 人生に疲れた大人たちが、もう一度“前を向く”ための旅。 昭和の空気を乗せたバスは、今日も静かに走り続ける――。
大賞ポイント 2pt
文字数 1,128 最終更新日 2026.06.05 登録日 2026.06.05
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