「棚」の検索結果

全体で503件見つかりました。
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ライト文芸 完結 長編
 妹が残された僅かな時間の中で書き残したその本は、十年経った今も書店の棚に並んでいる。  恋愛ものでもなければ、推理ものでもない。流行りの異世界ものでもない。ヒーローもヒロインも登場しない。  変わらない日常を淡々と描いた、目立たない内容。  血の繋がらない者同士が惹かれるように、少しノスタルジックな喫茶店に集まり家族になるお話。  ありきたりな話だけど、読者からはとても愛されている。  なんでも、読み終わった後、灰色の世界が色付いた世界に見えるらしい。そう、SNSにコメントが書かれていた。  俺は何回も読む。だけど、俺の世界はずっと灰色のままだ。  俺は親友と妹の願いを少しでも叶えるために、灰色の世界を生き続ける。  妹と親友が最後に過ごしたこの地で。  一度でいい、妹が見ていた世界を見たいと願いながらーー
大賞ポイント 505pt
文字数 109,704 最終更新日 2023.05.23 登録日 2022.07.16
現代文学 完結 短編
結婚の決まった女を俺が追いかけて行ったのは、初めて逢った日の払暁の空に血の色の雲が棚引いていたから。多分。  だらしない男の、情けなくて切ない、少し奇妙な旅が始まる。
大賞ポイント 8pt
文字数 21,355 最終更新日 2022.03.11 登録日 2022.02.04
ライト文芸 連載中 長編
足音が重くなり、缶を開ける秒数が変わった日。この家の何かが壊れ始めた。 三万匹に一匹のオス三毛猫が記録する、不器用な人間たちの静かな日常。 私の名前はミケ。三万匹に一匹しか生まれないオスの三毛猫であり、この家の「管理者」である。 世話係の男(ユウキ)がキャットフードの缶を開ける速度は5秒。トイレの砂は週に2回替わる。彼のなで方は70点。過不足のない、悪くない家だった。 しかしある日、家に「知らない花のにおい」をまとった女(サヤ)がやってきたことで、私の完璧な日常にさざ波が立ち始める。 靴を脱ぐ順番、声の高さの変化、不規則になる足音、そして微かに漂う緊張の汗のにおい。 人間たちは言葉で隠し事をしているつもりらしいが、猫の耳と鼻をごまかすことはできない。私はいつも通り棚の上から、彼らが発するわずかなサインを静かに分類し、記録していく。 変わらない平穏を望むミケの視界の端で、人間たちの関係は少しずつ、しかし確実に変容していく。 匂いと音で人間たちの心の機微を読み解く、誇り高くも愛らしい猫の視点で描かれる、静かで少し切ない同居の記録。
大賞ポイント 5pt
文字数 36,172 最終更新日 2026.05.04 登録日 2026.04.29
ライト文芸 連載中 長編
①登場人物の紹介 健介――東京で父の総菜店を手伝っていたが、父のけがをきっかけに、祖母・富枝が営む海辺の喫茶店「深海カフェ」へ一か月だけ戻る。 心優――中学時代に町を離れ、二年前に帰ってきた女性。思いついたらすぐ動くまっすぐな性格で、閉店までの店を明るく動かしていく。 富枝――深海カフェの店主。店を愛しているからこそ、自ら閉店を決めた祖母。 将丈、真李亜、美帆たち商店街の人々――それぞれに「言えなかった別れ」を抱え、店に集う。 ②あらすじ 八月末で閉店する深海カフェ。祖母の店を手伝うため帰郷した健介は、幼なじみの心優と再会する。店には、町の人が長年思いを綴ってきた「濃いノート」があり、二人はそれをきっかけに「言えなかったさよならを預かる棚」を作る。すると、先生へ感謝を伝えたい子ども、亡き妻を思い続ける常連、店に別れを告げに来る人々の思いが少しずつ集まり始める。 そんな中、健介はノートの中に、昔ふたりだけで使っていた暗号を見つける。そこに残されていたのは、あの夕立の夜に言えなかった本心だった。けれど店の閉店後、健介は東京へ、心優も別の土地へ進むことが決まっている。引き留めたいのに、引き留めない。止まらない時間の中で、大切な相手を想う切なさと温かさを描く物語。
大賞ポイント 1pt
文字数 2,789 最終更新日 2026.04.07 登録日 2026.04.05
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