僕の婚約者であるロゼの家族は、困った人ばかりだった。
異母妹のアメリはロゼの物を欲しがって平然と奪い取り、継母ベルは実子だけを甘やかす。父親であるトムはベルに夢中で、そのためアメリの味方ばかりする。
――そんな人達でも、家族ですので――。
それでもロゼは我慢していたのだけれど、その日、アメリ達は一線を越えてしまった。
「マエル様を欲しくなったの。お姉様の婚約者を頂戴」
「邪魔をすれば、ここにあるユリのアクセサリーを壊すわよ?」
アメリとベルは自分達の都合でこの婚約を解消させようとして、ロゼが拒否をしたら亡き母の形見を使って脅迫を始めたらしいのだ。
僕に迷惑をかけようとしたことと、形見を取り上げられたこと。それによってロゼはついに怒り、僕が我慢している理由もなくなった。
だからこれから、君達にこれまでのお礼をすることにしたんだ。アメリ、ベル、そしてトム。どうぞお楽しみに。
文字数 30,729
最終更新日 2021.11.08
登録日 2021.10.10
「アルマ・レンザ―、光栄に思え。次期侯爵様は、お前をいたく気に入っているんだ。大人しく僕のものになれ。いいな?」
最初は柔らかな物腰で交際を提案されていた、リエズン侯爵家の嫡男・バチスタ様。ですがご自身の思い通りにならないと分かるや、その態度は一変しました。
……そうなのですね。格下は格上の命令に従わないといけない、そんなルールがあると仰るのですね。
分かりました。
ではそのルールに則り、わたしの命令に従っていただきましょう。
文字数 12,595
最終更新日 2021.11.05
登録日 2021.10.24
かつて私の婚約者だった方・フィレーダ侯爵家のセヴラン様と婚約された、ミレネア子爵家のナディーヌ様。公爵家主催の夜会でお会いしたミレネア様は突然、『愛する人を奪われて悔しいでしょう?』と嘲笑混じりで仰られました。
どうやらあの日の婚約解消は、この方との浮気によるもの。ミレネア様は、私からフィレーダ様を奪い取れたことが嬉しくて仕方がないようです。
……そう、だったのですね。
ですが、ミレネア様。私はまったく、悔しいと感じてはいませんよ?
文字数 38,474
最終更新日 2021.10.27
登録日 2021.09.19
《もうすぐアンナに婚約の破棄を宣告できるようになる。そうしたらいつでも会えるようになるから、あと少しだけ辛抱しておくれ》
最近お忙しく、めっきり会えなくなってしまった婚約者のロマニ様。そんなロマニ様から届いた私アンナへのお手紙には、そういった内容が記されていました。
そのため、詳しいお話を伺うべくレルザー侯爵邸に――ロマニ様のもとへ向かおうとしていた、そんな時でした。ロマニ様の双子の弟であるダヴィッド様が突然ご来訪され、予想だにしなかったことを仰られ始めたのでした。
文字数 34,553
最終更新日 2021.10.14
登録日 2021.09.12
嘘を吐いている、私の婚約者様へ。
皆様の前で婚約破棄を行うのは、貴方ではありません。この私です――。
文字数 14,722
最終更新日 2021.10.10
登録日 2021.09.26
「お姉様っ、奪うなんて言ってごめんなさいっ! あれは撤回しますっ! ジョシュア様に相応しいのはやっぱりお姉様だったわっっ!!」
私の婚約者であるランザルス伯爵家のジョシュア様を好きになり、奪い取ると宣言していた妹のロレッタ。そんなロレッタはある日突然こう言い出し、これからは私を応援するとも言い出したのでした。
ロレッタはお父様とお母様にお願いをして、私を軟禁してまで奪おうとしていたのに……。何があったのでしょうか……?
※9月7日 タイトルの一部とあらすじの一部を変更させていただきました。
文字数 33,900
最終更新日 2021.10.03
登録日 2021.09.05
※9月20日、本編完結いたしました。明日21日より番外編として、ジェラール親子とマリエット親子の、最後のざまぁに関するお話を投稿させていただきます。
お前の家ティレア家は、財の力で爵位を得た新興貴族だ! そんな歴史も品もない家に生まれた女が、名家に生まれた俺に相応しいはずがない! 俺はどうして気付かなかったんだ――。
婚約中に心変わりをされたクレランズ伯爵家のジェラール様は、沢山の暴言を口にしたあと、一方的に婚約の解消を宣言しました。
そうしてジェラール様はわたしのもとを去り、曰く『お前と違って貴族然とした女性』であり『気品溢れる女性』な方と新たに婚約を結ばれたのですが――
ジェラール様。貴方の婚約者であるマリエット様が、侯爵家主催の夜会で大問題を起こしてしまったみたいですよ?
文字数 43,386
最終更新日 2021.10.01
登録日 2021.08.22
「すでに気付いているんですのよ。わたくしやお父様やお母様に隠れて、交際を行っていることに」
「ダーファルズ伯爵家のエドモン様は、雄々しく素敵な御方。お顔も財力も最上級な方で、興味を持ちましたの。好きに、なってしまいましたの」
私のものを何でも欲しがる、妹のニネット。今度は物ではなく人を欲しがり始め、エドモン様をもらうと言い出しました。
確かに私は、家族に隠れて交際を行っているのですが――。その方は、私にしつこく言い寄ってきていた人。恋人はエドモン様ではなく、エズラル侯爵家のフレデリク様なのです。
どうやらニネットは大きな勘違いをしているらしく、自身を溺愛するお父様とお母様の力を借りて、そんなエドモン様にアプローチをしてゆくみたいです。
文字数 41,747
最終更新日 2021.09.14
登録日 2021.08.08
「お姉ちゃん。今日からシュヴァリエ様は、わたしのものよ」
いつも私を大好きだと言って慕ってくれる、優しい妹ソフィー。その姿は世間体を良くするための作り物で、本性は正反対だった。実際は欲しいと思ったものは何でも手に入れたくなる性格で、私から婚約者を奪うために『魅了』というものをかけてしまったようです……。
でも、あれ?
シュヴァリエ様は引き続き私に優しくしてくださって、私を誰よりも愛していると仰ってくださいます。
ソフィーに魅了されてしまったようには、思えないのですが……?
文字数 24,863
最終更新日 2021.09.07
登録日 2021.08.15
「レティシア・リステルズ様、申し訳ございません。今の僕には貴方様の記憶がなく、かつての僕ではなくなってしまっておりますので……。8か月前より結ばれていたという婚約は、解消させていただきます……」
階段からの転落によって記憶を失ってしまった、婚約者のセルジュ様。そんなセルジュ様は、『あの頃のように愛せない、大切な人を思い出せない自分なんて忘れて、どうか新しい幸せを見つけて欲しい』と強く仰られて……。私は愛する人が苦しまずに済むように、想いを受け入れ婚約を解消することとなりました。
ですが――あれ……?
その際に記憶喪失とは思えない、不自然なことをいくつも仰られました。もしかしてセルジュ様は…………
※申し訳ございません。8月9日、タイトルを変更させていただきました。
文字数 36,693
最終更新日 2021.08.31
登録日 2021.08.01
※8月14日、本編完結いたしました。明日15日より、番外編を投稿させていただきます。
婚約中に浮気を行い、しかもそれを私のせいにした方、ノズエルズ侯爵家のヒューゴ様。僅かの謝罪もなく去っていったそんな人が、11か月後に平然と復縁を申し込んできました。
「ケティリア伯爵令嬢、アニエス。俺に再び、貴方の恋人となる栄誉をお与えください」
嫌です。
文字数 34,504
最終更新日 2021.08.19
登録日 2021.07.18
画家になるという夢を持つ、伯爵令息オスカー・デアリクと伯爵令嬢アリス・レイニーラ。2人は多くの共通点を持っていたため意気投合し、やがて婚約者となり愛し合っていました。
ですがそんな関係は、アリスが大きな賞を受賞したことで変わってしまいます。
「俺とアリスは才能も実力も同じなのに、アリスだけが評価されるのはおかしい……! 不正を行っているんだ……!!」
そうしてありもしないアリスの罪を暴くべく、動き出したオスカーは――
文字数 24,103
最終更新日 2021.08.13
登録日 2021.07.25
※8月6日、本編完結いたしました。
現在、時期は未定となっておりますが……。その後の妹の様子などを、番外編として投稿させていただく予定となっております。
「サンティラス様ぁっ、助けてください……っ。最近わたしの周りで、不気味なことが起きるんです……っ」
姉の婚約者を好きになった、ニテア子爵家の次女・ニノン。自分に自信があり『2人きりになれたら必ず落とせる』と確信するニノンは、嘘を吐いて2人きりになれる状況を作りました。
ですが――。ニノンに、誘惑を行う暇はありませんでした。
彼女は自分が吐いた嘘によって、これから大変な目に遭ってしまうようです。
文字数 26,976
最終更新日 2021.08.06
登録日 2021.07.11
幼馴染の伯爵令息ユベールと婚約をしていた、伯爵令嬢ベアトリス。しかしとある夜会で隣国の侯爵家当主アンドレに目をつけられてしまい、脅迫によって婚約は強制的に解消。更には無理やり、侯爵家邸での同棲が始まってしまいました。
そうして月日が流れ、2年半後。15歳だったベアトリスは18になり、結婚式の前夜を迎えていました。
嫌だ。この人と結婚したくない。ユベールと結婚したい。
ユベール、助けて。
部屋で独り、涙するベアトリス。
そんな彼女のもとに、突然――。隣国にいるはずの幼馴染、ユベールが現れたのでした。
文字数 46,911
最終更新日 2021.08.06
登録日 2021.06.27
侯爵令嬢のファスティーヌ様が自分に好意を抱いていたと知り、即座に私との婚約を解消した伯爵令息のガエル様。
そんなガエル様は「お前なんかに会いに来ることは2度とない」と仰り去っていったのですが、それから1年後。ある日突然、私を訪ねてきました。
しかも、なにやら必死ですね。ファスティーヌ様と、何かあったのでしょうか……?
文字数 29,287
最終更新日 2021.07.30
登録日 2021.07.04
「シルヴィー、悪いなっ。君との婚約は、この時をもって解消する!」
「聞くがいいシルヴィーっ。なんと俺は、ロティナ様にお眼鏡にかなったのさ……!!」
ハヌエ子爵家の嫡男、シモン。彼は侯爵令嬢ロティナから告白されたことにより、上機嫌で子爵令嬢・シルヴィーとの婚約を解消しました。
有力な侯爵家と関係を持てることになり、大喜びで浮かれるシモンでしたが――。彼の幸せは、長くは続かないようです。
文字数 31,305
最終更新日 2021.07.19
登録日 2021.06.20
※7月3日、本編が完結いたしました。明日4日より番外編として、2人で過ごす初めてのクリスマスと聖夜のお話を、投稿させていただきます。
ジャック様。貴方は男爵令嬢のミシェル様に夢中となって、婚約者である私が邪魔になった。なのでノーダメージで縁を切れるように、私の悪事を捏造して婚約破棄を企んでいるんですよね?
貴方は、気付かれていないと思っているようですが――。私は、知っているのですよ?
文字数 38,971
最終更新日 2021.07.07
登録日 2021.05.30
※6月10日、リュシー編が完結いたしました。明日11日よりフィリップ編の後編を、後編完結後はフィリップの父(侯爵家当主)のざまぁに関するお話を投稿させていただきます。
婚約者のフィリップ様はわたしの幼馴染・ナタリーと浮気をしていて、ナタリーと結婚をしたいから婚約を解消しろと言い出した。
こんなことを平然と口にできる人に、未練なんてない。なので即座に受け入れ、私達の関係はこうして終わりを告げた。
「わたくしはこの方と幸せになって、貴方とは正反対の人生を過ごすわ。……フィリップ様、まいりましょう」
そうしてナタリーは幸せそうに去ったのだけれど、それは無理だと思うわ。
だって、浮気をする人はいずれまた――
文字数 36,581
最終更新日 2021.06.21
登録日 2021.05.16
※5月23日、ケヴィン編が完結いたしました。明日よりリナス編(第2のざまぁ)が始まり、そちらが完結後、エマとルシアンのお話を投稿させていただきます。
幼馴染のリナスが誰よりも愛しくなった――。リナスと結婚したいから別れてくれ――。
ランドル侯爵家のケヴィン様と婚約をしてから、僅か1週間後の事。彼が突然やってきてそう言い出し、私は呆れ果てて即婚約を解消した。
この人は私との婚約は『選択ミス』だと言っていたし、真の愛を見つけたと言っているから黙っていたけど――。
貴方の幼馴染のリナスは、ものすごく猫を被ってるの。
だから結婚後にとても苦労することになると思うけど、頑張って。
文字数 42,600
最終更新日 2021.06.05
登録日 2021.04.25
密かに愛していた人ユリスから告白をされた、伯爵令嬢のアリシア。そんな彼女の家には、姉の物になんでも興味を持つ妹のサーシャと、サーシャを可愛がる両親がいました。
そのため様々な迷惑がかかってしまうからと、心の中で泣きながら、謝りながら告白を断ったアリシア。
その後アリシアは部屋に閉じこもって落ち込んでいましたが、ユリスはアリシアの態度に違和感を覚えていて――。
文字数 29,019
最終更新日 2021.06.04
登録日 2021.05.09