約束 小説一覧
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1
たとえ時間が戻っても、もう一度私を好きになってくれますか ――大樹の約束――
時間を巻き戻した代償は、世界から自分の存在が消えることだった。
昨日まで自分を「芳乃」と呼んでくれたアルベールも、もう彼女を知らない。
すべてを失った芳乃。
けれど――世界中が彼女を忘れたはずなのに、学園の古い大樹だけが、彼女の名前を呼んだ。
「――よしの」
なぜか胸によみがえる、遠い記憶。
誰かと笑ったこと。名前を呼び合ったこと。
そして、「また会おう」と交わした約束。
やがて芳乃は、長い時を越えて一人の少女と再会する。
その少女の名前もまた――「芳乃」。
二人の芳乃が、新しい時間を歩き始める。
少し不思議で、温かな物語。
2
殿下、今日こそ帰ります!
彼女はある日、別人になって異世界で生きている事に気づいた。しかも、エミリアなどという名前で、養女ながらも男爵家令嬢などという御身分だ。迷惑極まりない。自分には仕事がある。早く帰らなければならないと焦る中、よりにもよって第一王子に見初められてしまった。彼にはすでに正妃になる女性が定まっていたが、妾をご所望だという。別に自分でなくても良いだろうと思ったが、言動を面白がられて、どんどん気に入られてしまう。「殿下、今日こそ帰ります!」と意気込む転生令嬢と、「そうか。分かったから……可愛がらせろ?」と、彼女への溺愛が止まらない王子の恋のお話。
3
魔王の手下ってのも楽なもんじゃない
ラミレスは、人類最初の裏切り者である。
魔徒歴6年、ムレイン共和国辺境の農村ローレに魔族が押し寄せた。
「この街で、反乱組織結成の兆候を確認した!」
身に覚えのない容疑に戸惑う住民達。
張り詰めた空気の中、一人の少年ラミレスが叫ぶ。
「俺が言ったんだ! 魔族なんて怖くないってな!」
魔族軍は火種を摘むため、少年を連れ去った。
ラミレスが連れ去られた日から五年後。
幼なじみのレミアは、ラミレスとの約束を胸に、人類を守る力を求めて軍へ志願する。
過酷な訓練。
仲間との出会い。
何度倒れても立ち上がり、もう失うことがないよう一歩ずつ前へ進んでいく。
やがて少女は、人々から“救世主”と呼ばれるようになる。
信じることだけは、誰にも奪えない。
4
もうすぐ婚約破棄を宣告できるようになるから、あと少しだけ辛抱しておくれ。そう書かれた手紙が、婚約者から届きました
《もうすぐアンナに婚約の破棄を宣告できるようになる。そうしたらいつでも会えるようになるから、あと少しだけ辛抱しておくれ》
最近お忙しく、めっきり会えなくなってしまった婚約者のロマニ様。そんなロマニ様から届いた私アンナへのお手紙には、そういった内容が記されていました。
そのため、詳しいお話を伺うべくレルザー侯爵邸に――ロマニ様のもとへ向かおうとしていた、そんな時でした。ロマニ様の双子の弟であるダヴィッド様が突然ご来訪され、予想だにしなかったことを仰られ始めたのでした。
5
再会の約束の場所に彼は現れなかった
ロジェはジゼルに言った。「ジゼル。三年後にここに来てほしい。僕は君に正式に婚約を申し込みたい」と。平民のロジェは男爵令嬢であるジゼルにプロポーズするために博士号を得たいと考えていた。彼は能力を見込まれ、隣国の研究室に招待されたのだ。
そして三年後、ジゼルは約束の場所でロジェを待った。ところが彼は現れない。代わりにそこに来たのは見知らぬ美しい女性だった。彼女はジゼルに残酷な言葉を放つ。「彼は私と結婚することになりました」とーーーー。(全5話)
6
婚約破棄されるまで一週間、未来を変える為に海に飛び込んでみようと思います
旧題:婚約破棄される未来を変える為に海に飛び込んでみようと思います〜大逆転は一週間で!?溺愛はすぐ側に〜
マデリーンはこの国の第一王子であるパトリックの婚約者だった。
血の滲むような努力も、我慢も全ては幼い頃に交わした約束を守る為だった。
しかしシーア侯爵家の養女であるローズマリーが現れたことで状況は変わっていく。
花のように愛らしいローズマリーは婚約者であるパトリックの心も簡単に奪い取っていった。
「パトリック殿下は、何故あの令嬢に夢中なのかしらッ!それにあの態度、本当に許せないわッ」
学園の卒業パーティーを一週間と迫ったある日のことだった。
パトリックは婚約者の自分ではなく、ローズマリーとパーティーに参加するようだ。それにドレスも贈られる事もなかった……。
マデリーンが不思議な日記を見つけたのは、その日の夜だった。
ーータスケテ、オネガイ
日記からそんな声が聞こえた気がした。
どうしても気になったマデリーンは、震える手で日記を開いたのだった。
7
心臓
8月10日僕は天使に会った。
親の約束を破り、学校をサボって歩き続けた僕が立っていたのは知らない森だった。
その森で僕が出会ったのは、とても綺麗な天使。
僕は天使に合うために、毎日森へ通う。
こうして、死にたい僕と死なせたくない君の長いようで短い日々が始まったんだ。
8
もし世界が明日終わっても、私は君との約束だけは忘れない
「二十五日に会おう、梨果」
暦では春なのに、まだまだ底冷えする三月の末、困り果てたように私にそう告げたのは、幼馴染の上原由季だった。
いつも当たり前のように、空気のように、私の隣にいた幼馴染。
その表情を見た時気付いたの。
私と由季の間には、とても温度差があるってことに。
由季にとって、私はただの家族。
私は手の掛かる、大事な弟だった……そう、弟だったの。
同じ歳で同じ学年なのに、小さい頃から私より小さくて、頼りがなくて、泣き虫だった可愛い男の子。中学生になったら、さすがに泣き虫から卒業したけど、ずっと護ってきたから、私の中では弟のポジションのままだった。
でも、由季が親の都合で引っ越すと知った時、私はショックで何も出来なくなったの。毎日会っていた由季にも会えなくなった。そして、ずっと部屋に引き籠もって考えてた。
考えて、考えて、そして気付いたの。
由季は弟じゃないって。
由季が隣にいなくなってから、私は彼と約束した二十五日が来るのを、心から楽しみにしていた。
だけど――
【俺は妹が見ていた世界を見ることはできない】から数年後のお話ですが、単独で読めます。
9
スタートライン ~あの日交わした約束を胸に~
「マラソン大会、いつか必ず一緒に出場しよう!」
まだ中学生だったあの頃に交わした約束。
「美織は俺が一生守る。これからも ずっと一緒にいよう」
真剣な眼差しで そう告げてくれた陽斗(はると)は、直後、何も告げずに姿を消してしまった。
けれど、あの日の約束を果たすべく、大人になった今、私たちは――
*イラストは、すももさんが描いてくれました。
【2022.4 追記】
2020.3完結時の11,110字より2,400字ほど加筆しました。
文字数が多くなった頁を2つに分けたりしたので、話数も増えています。
主な加筆部分(後半の一部)を一旦非公開にさせていただきます。
この後、再度公開していきますので、どうぞ よろしくお願いいたします。
※2022.5.21 再度完結しました。
10
貧乏神と呼ばれて虐げられていた私でしたが、お屋敷を追い出されたあとは幼馴染のお兄様に溺愛されています
「シャーリィっ、なにもかもお前のせいだ! この貧乏神め!!」
私には生まれつき周りの金運を下げてしまう体質があるとされ、とても裕福だったフェルティール子爵家の総資産を3分の1にしてしまった元凶と言われ続けました。
その体質にお父様達が気付いた8歳の時から――10年前から私の日常は一変し、物置部屋が自室となって社交界にも出してもらえず……。ついには今日、一切の悪影響がなく家族の縁を切れるタイミングになるや、私はお屋敷から追い出されてしまいました。
ですが、そんな私に――
「大丈夫、何も心配はいらない。俺と一緒に暮らそう」
ワズリエア子爵家の、ノラン様。大好きな幼馴染のお兄様が、手を差し伸べてくださったのでした。
11
狐に嫁入り
山奥にある小さな村。日照りが続いていて作物がうまく育たず、苦労していたこの村で一番の働き者である一太郎は、雨を降らすことができるという旅装束の青年に、雨を降らせてほしいと頼む。その願いの対価は命の次に大切なものを差し出すこと。一太郎は、かまわないと返事をする。その日の夜から雨が定期的に降るようになり、豊作を迎えたとき、青年が再び一太郎の前に現れる。対価をもらいにきたと。
12
星夜の約束を、また君と叶えたら
――大人になったら、また一緒に星を見ようね。
幼い頃にまた会うことを約束して別れた健悟と幸は、十年後に再会を果たす。
「実はさ。私、病気なんだよね。もう、あんまり長くないんだ」
ところが、再会した幸は、余命幾ばくも無い病を患っていた。
驚く健悟に、幸は死ぬまでにやりたいことを一緒にやろうと持ちかけてくる。しかも、自分のやりたいことだけでなく、健悟の死ぬまでにやりたいこともしていきたいという。
人との関わりに消極的な健悟だったが、幸の頼みは断れずに引き受けることになり、そこから二人の日常は再び時を刻み始め、やがて惹かれていく。
しかし、幸には誰にも言っていないとある秘密があって……?
これは、たったひとつの死ぬまでにやりたいことを叶えようとした、秘密と恋の物語。
13
ビリー部~信じられたくない彼と信じられない私~
16才の誕生日、突然妖精様が去ってしまったピンナ。
『生き延びるんだよ』
『沢山食べて大きくおなり』
その約束を残して。
ピンナは妖精様との約束を守ろうと頑張る。
その中でビリーという謎な人と出会う。
信じられたくないビリー。
信じられないピンナが最後に信じたのは…
不規則な更新になってしまいますがよろしくお願いいたします。
*異世界ファンタジーです。
*誤字脱字誤用があったら申し訳ございません。
*本作品のAI学習への利用をしないでください。
14
売れ残り同士、結婚します!
高校の卒業式の日、売り言葉に買い言葉でとある約束をした。
それは、三十歳になってもお互いフリーだったら、売れ残り同士結婚すること。
あんなのただの口約束で、まさか本気だなんて思っていなかったのに。
十二年後。三十歳を迎えた私が再会した彼は。
「あの時の約束、実現してみねぇ?」
──そう言って、私にキスをした。
☆マークはRシーン有りです。ご注意ください。
他サイト様にてRシーンカット版を投稿しております。
15
純愛-junai-
"泣いたらゲームオーバー" 死にゆく俺とゲームをしよう。《恋人ごっこ》というゲームを。忘れられない思い出を、大切な君と―…
雨月緋禄【ウゲツ ヒトミ】は自分の死期が迫っていることに気付いていたが、周りにはそれを隠して明るく振る舞っていた。
そんな時、ずっと前から好きだった親友の前山咲輝【マエヤマ サキ】に「ゲームをしよう」と持ちかけてキスをする。
"泣いたらゲームオーバー"という条件を自ら出し《恋人ごっこ》というゲームが始まる。
日々お互いに惹かれ合っていくが、残酷にも別れの時は着々と近付いていき―…
切なくて優しい二人の純愛物語。
緋禄side【全5章】
咲輝side【全5章】
全10章
・BL
・同級生
・純愛
・一途
・両思い
・切ない
・死
・辛くないハッピーエンド
16
あの夏に僕がここに来た理由
東京近郊の大学に通う何のとりえもない普通の女子学生ひまわり。
太平洋戦争の真っただ中、硫黄島での戦いに全てを捧げる海人。
全く別の世界を生きる二人が出会ってしまう、ひまわりと海人…
いつしか惹かれあい永遠を約束する二人。二人を取り巻くおおきな運命という流れの中、ひまわりと海人はその流れに逆らう事はできない
でも、愛し合えるはずのない二人が愛し合ってしまう…
ひまわり、僕は… 僕は、何があっても君を捜し出すから
*この小説は他サイトにも掲載しています。
17
溺愛彼氏のプロポーズ
「五年後、俺は貴方にプロポーズします。それまでに、元彼のこと綺麗さっぱり忘れさせますから」
晴の恋人、知里は五年前にそう言った。
その約束の日、二人はデートをするけれど、知里はなんとなく将来に繋がる話題を避けているようだ。せっかくいいレストランで食事をしていたのに、そこでも話題にされず、晴は肩を落とす。そんな晴に知里は……。
年下攻めと年上受け。R15推奨。
選考に落ちたので供養に載せます〜。
18
平民令嬢、異世界で追放されたけど、妖精契約で元貴族を見返します
平民令嬢セリア・アルノートは、聖女召喚の儀式に巻き込まれ異世界へと呼ばれる。
しかし魔力ゼロと判定された彼女は、元婚約者にも見捨てられ、理由も告げられぬまま夜の森へ追放された。
行き場を失った境界の森で、セリアは妖精ルゥシェと出会い、「生きたいか」という問いに答えた瞬間、対等な妖精契約を結ぶ。
人間に捨てられた少女は、妖精に選ばれたことで、世界の均衡を揺るがす存在となっていく。
19
殿下、あなたが求婚した相手はわたくしではありません
「十六歳の誕生日、おめでとうございます。あのときの約束を覚えていますか? 俺はあのときのことを忘れたことはありません。もう一度、改めてプロポーズさせてください。どうか、俺の妃になっていただけませんか」
突然の求婚に、ヴェルハイム伯爵令嬢のステラはただただ困惑した。
目の前には見目麗しい第三王子が跪いている。
けれど、どれだけ記憶を呼び起こしても、そんな約束をした覚えはない。
これは、勘違いから始まる恋のお話。
20
麗しの王子殿下は今日も私を睨みつける。
「王子殿下の運命の相手を占いで決めるそうだから、レオーネ、あなたが選ばれるかもしれないわよ」
伯母の一声で連れて行かれた王宮広場にはたくさんの若い女の子たちで溢れかえっていた。
そしてバルコニーに立つのは麗しい王子様。
──あの、王子様……何故睨むんですか?
人違いに決まってるからそんなに怒らないでよぉ!
◇◆◇
無断転載・転用禁止。
Do not repost.
21
俺とケトルとマグカップ
生物部には部員が二人しかいない。田村先輩が卒業したら廃部になることが決まっている。
先輩はこっそり持ち込んだケトルでコーヒーを飲んで、俺に言った。
「篠原。このケトル、お前にやるよ」
※他サイトにも投稿しています。
22
22歳まで忘れていてください。〜迎えに来た執事は、私が忘れた初恋でした〜
22歳の誕生日。
突然現れた一人の執事は、初対面の私に微笑んで言った。
「お帰りなさい、お嬢様。」
会ったこともないはずなのに、どうしてそんな目で私を見るの?
戸惑う私に差し出されたのは、高校生の頃に亡くなった父が遺した一通の手紙。
『二十二歳になったら、この人について行きなさい。』
父の最後の願いに導かれ、私がたどり着いたのは、白百合が咲き誇る由緒ある屋敷だった。
そこで待っていた執事・透夜は、「十五年間、この日を待っていました」と穏やかに微笑む。
けれど私は、彼のことも、この屋敷のことも、七歳までの思い出も何ひとつ覚えていない。
それでも、彼の優しい眼差しに触れるたび、知らないはずの心が切なく疼き、忘れたはずの記憶が少しずつ目を覚まし始める。
なぜ私は、二十二歳になるまで迎えに来てもらえなかったのか。
父は、なぜ十五年間も真実を隠したのか。
そして、透夜が十五年間守り続けた「あの日の約束」とは――。
止まっていた十五年が動き出すとき、忘れた初恋も、運命も、すべてがひとつにつながっていく。
甘く切ない恋と、心揺さぶる秘密が交差する、じれ甘ラブストーリー。
23
君に捧げる愛
施設育ちの15歳、暁月翠はある日自分宛に手紙が届く。
内容は家政婦の高収入の仕事。施設を出たかった翠はそこで小学五年生の嶺緒に出会う。
でも実は仕事には秘密があって…
読み終わった後にはタイトルに込められた『本当の意味』にあなたはきっと涙する。
24
花氷の琥珀糖
夏谷家は代々憑き物落としを行う家系だった。そこで生まれた双子の兄妹、玲央と真央。玲央はすでに亡くなっており、今は妹を守るために玲央の魂が真央の体の中に宿っている。彼らは運命に抗いながら、家族の使命と過去と向き合う中で、愛と絆を紡いでいく壮大な物語が展開する。果たして彼らは家族の運命に立ち向かい、愛と絆を胸に新たな未来を切り拓くことができるのか。
25
【完結】僕は君を思い出すことができない
「久しぶり!」
高校の入学式当日。隣の席に座る見知らぬ女子に、突然声をかけられた。
どうして君は、僕のことを覚えているの……?
心の中で、たしかに残り続ける幼い頃の思い出。君たちと交わした、大切な約束。海のような、美しいメロディ。
思い出を取り戻すのか。生きることを選ぶのか。迷う必要なんてないはずなのに。
僕はその答えに、悩んでしまっていた──
「いま」を懸命に生きる、少年少女の青春ストーリー。
■素敵なイラストはみつ葉さまにかいていただきました! ありがとうございます!
26
あと百年は君と生きたい
『僕は今後、とある時期まで主演での出演を退かせて頂きます』
超人気俳優の佐原白――佐伯志郎は宣言する。
世間にも事務所にも事情を伏せた参加は、全て幼馴染みである榎本杏を思ってだった。
27
別れた彼との数年越しの約束は
『三十歳になったら結婚してもいいぜ』
中学時代付き合っていた彼が別れ際に言い放った無茶苦茶な約束。
淡い期待と共に彼を待つ。
28
時を超えて、君を―永遠の約束
夕立に追われた放課後、仲町商店街の古いトンネルで、和毅(ともき)はひとりの少女に出会う。
濡れた手で自転車のブレーキを直そうとしていた白鳥怜子(れいこ)。古風なセーラー服、指先から滑り落ちた小さな手鏡。受け止めた鏡面の像は、雨粒に揺らいで半拍だけ遅れる――その“遅れ”が、世界の蝶番(ちょうつがい)だとはまだ知らない。
二人が肩を並べてトンネルを抜けると、蛍光灯はガス灯に、アスファルトは板戸と砂利に変わる。
時間旅行ではない。同じ“いま”が、位相を違えて二枚重なっている。 駄菓子屋の飴の粘り、紙風船の乾いた音、山車太鼓の基音。和毅の指に残った感覚だけが、二つの現実を行き来する道しるべになる。
手鏡を合図に通う逢瀬は、約束ではなく座標合わせだ。
飴を割り、せんべいを分け、縁台に並ぶ。鏡の中の列は逆向きに流れ、像は半拍遅れて重なる。怜子は医師になりたいと語り、和毅は未来の常識――“血液型”という言葉を喉で止める。真実は嘘よりも簡単に世界を壊すからだ。
やがて新聞の縮刷版が告げる残酷な“別の確定”に、和毅は凍りつく。
《白鳥怜子、八月二十七日 路面電車事故で死亡》。
昨日まで笑っていた彼女が、こちら側ではすでにいない。
理工の友人・和也は言う。「過去じゃない。位相の違う“いま”が重なってるだけだ。 片方で選べば、もう片方が歪む」。救えば壊すかもしれない――それでも、和毅は怜子を選ぶ。
令和の免許証という硬い証拠、避難の動線、風下を避ける判断。
怜子は「祖母を置いていけない」と揺れ、和毅は「二人とも助ける」と言い切る。
九月一日、十一時五十八分。 大地が唸り、提灯が鳴り、街の配置は次々と正しさを失う。
境界は閉じる。だが残響は残る。
割れた手鏡の欠片に、焼け跡の少女が映る。
「生きることが、あなたへの返事」――声は届かないのに、意味だけが胸に届く。
百年を越えて和毅の講義室に辿り着くのは、一冊の帳面。
〈血液、混交し凝固す――異なる性あり。適合せざれば危うし〉
震える筆で綴られた観察は、未来の常識を予告する人間の眼差しそのものだった。
世界は一枚の鏡ではない。
だが、誰かを想うという行為は、位相を越える唯一の手段になりうる。
「時を超えて」ではなく、「いまどう生きるか」が、二つの現実を“同時に”現実にする。
雨の仲町商店街、ガス灯の淡い炎、太鼓の基音。
手鏡一枚ぶんのズレを抱えた二人が、祈りではなく選択でつないだ記録。
これは、未来に届いた大正の手記であり、過去から照らされた令和の証言であり、約束が約束に
29
約束ごっこ
約束しよう
『絶対に君を裏切らない』と
30
花石の約束【完結】
風の世界フィーラメアの若長フォール・セティと西風の姫シーンの淡い恋物語。
風の精霊王を継ぐ若き王と西風の姫との婚礼を明日に控えた日。こっそり天空城を抜け出した若長は花嫁となる西風の姫に会いにいく。幼き頃に遊んだ思い出をずっと胸に刻んで、婚礼の日を待ちわびていたのだ。
お互いにその相手だと確信を得ないまま再会を果たすが、世界を脅かす『風牢』に西風の姫シーンが囚われてしまう。
31
それでも僕らは、また明日と言った
記憶を消す薬〈ミモザ〉を巡る、ふたりの物語。
ある日、彼は“知ってはいけない秘密”に触れてしまう。
その記憶を消すために、薬を飲んだのは——僕だった。
「忘れないで」
「また明日」
交わされた言葉の意味を、僕はまだ知らない。
32
3つのいのち
「もしも、愛する人を残して旅立つことになったあなたに、三度だけの奇跡が許されたら――。」
春の夜、桜が雪のように舞い散る中で命を落とした一人の男。
深い未練に濡れる彼に、神様は三つの「いのちのたま」を授けます。
一つにつき、一時間。望む姿で現世に降り立つことができますが、言葉を交わせるのは、たった一度きり。
あなたなら、その一時間を、誰のために使いますか?
そして、たった一度の言葉を、いつ、誰に届けますか?
33
勿忘草 ~虚ろの魂・花~
ここは…….どこだろう。
私。藤咲美結が見つけたのは【布崎】という表札がかかっている大きなお屋敷だった。
そこに住んでいるのは一見穏やかで優しい少女。
彼女はよくこう言った。
「約束したよね。…ずっと一緒だって。だから、美結ちゃんは私から離れられないんだよ」
二人の距離が近づくにつれて狂い始めていく季乃璃と、そんな彼女に怯える美結。
“約束は……絶対ではないんだよ。”
勿忘草(ワスレナグサ)シリーズ第3弾
<挿絵 : パラソルさんに描いて頂きました>
《面白いと感じてくださったら是非お気に入り登録 又はコメントしてくださると嬉しいです。今後の励みになります》
34
片翼を君にあげる④
片翼シリーズもいよいよ今巻で完結!
ツバサとレノアーノの恋は果たして実るのか?!
【あらすじ】
主人公ツバサは18歳の誕生日1週間前に不思議な夢を見る。
それは10年前に別れた幼馴染み、レノアと「将来夢の配達人になって必ず会いに行く」と約束した時の夢。
だが、約束と異なり彼は現在ただの学生。
15歳の時父の死を境に、夢の配達人への夢を遮られてしまった為だ。
しかし、レノアの20歳の誕生日パーティーで二人は再会。
それをキッカケに本当の気持ちに目覚め、再びあの日の約束と自分の夢を叶える為に動き出す。
2024.12.13
公開•連載開始
35
また明日の約束は…5年後に…
「また明日会いましょう」
そう言って別れた宗田愛斗(そうだ・あいと)と藤宮楓子(ふじみや・ふうこ)は、約束の日に愛斗が何者かに殴られ怪我をした事で会えなくなり別れる事になった。
不運な別れから5年後。
愛斗は服部加絵(はっとり・かえ)と言う同僚と結婚して息子の一也と暮らしていた。
幸せそうに見える愛斗だが、5年前とは人格が変わり性格も荒く冷たい人間になってしまったと噂されていた。
そんな時、新入社員としてやって来た九東楓子(くとう・ふうこ)に出会ってから愛斗の目の色が変わり始めた。
淡々としてつも冷静な表情のままの楓子を見ていると、愛斗は何故か胸が熱くなるのを強く感じ始め、いつしか楓子を気にし始めていた。
だが、楓子を気にするようになり思いが強くなると頭に激痛が走る…。
「愛斗さん。また明日会いましょう」
ぼんやりと思い出される思い出の中、顔の判らない女性が愛斗に言ってくる声にまた胸がキュンとなった。
激痛から逃げてはいけないと決心した愛斗は、本当の事に向き合う決意をした。
それは5年前の怪我の時、愛斗は記憶を無くし自分の名前の他何も覚えていなかった事だった。
空白の記憶の中に何か大切なことをがあった筈だと思った愛斗。
そんな時だった。
息子の一也を通して双子の兄弟、礼斗(れいと)と空斗(くうと)に出会った。
そして、礼斗と空斗の母親が楓子である事を知ると、愛斗の中に次から次へと思い出される記憶が蘇り始めた。
「また明日会いましょう」
そう約束した人は誰なのか? そして愛斗にとってどんな人だったのか?
2人の約束を無理やり引き裂いた黒い影は誰なのか?
愛と殺意とその先にある永遠のラブストーリー。
36
老いない花は、返事を待つ
海と山に囲まれた青凪町には、アゲラタムの花に願いを告げると、返事が届くまで色あせないという言い伝えがある。
丘の園芸店「青枝園」を手放す決断に迷う花村紬は、記憶が薄れゆく祖母・澄江のそばで、青紫の花を守っていた。
ある日、古い菓子缶から見つかったのは、五十四年前の手紙と、投函されなかった一通の返事。
そこには、若き日の祖母と育種家・有馬清一が交わした約束、奪われた名誉、そして「あなたの返答を待ちます」という切なる言葉が眠っていた。
もう遅すぎるのか、それとも今からでも届けられるのか。
長く色あせない花が、世代を越えて失われた信頼と幸せを結び直す、静かで心温まる再生の物語。
37
皎天よりあの子は遥か
1か月半ぶりに学校に行くと、隣の席の女の子が学校を辞めていた。
38
優しい雨
砂漠と竜と少年
39
みんなの心に自分がいる。
消えるのが怖かった。
でも、それより怖かったのは――
「忘れられること」だった。
余命を告げられた少年・翔太。
何もできなくなっていく中で、
彼が最後までやめなかったのは、
“誰かの話を聞くこと”だった。
そばにいたのは、泣き虫で、まっすぐな後輩・陽翔。
これは、
命が終わる物語じゃない。
「心に残る」ということの、意味を知る物語。
40
あの日の忘れ物
果たされなかった約束。私たちはあの日の忘れ物を取りに来た。
3年ぶりに帰る地元。懐かしさに溢れるそこで、彼女は中学生の頃の仲間たちに再開する。ともに青春を過ごした仲間たちと毎日のように通った音楽室へ向かうと、そこはあの頃と同じようであのころと違った。彼女たちがここに集まった理由、それは恩師との約束を叶えるため。約束の調べは天へと響く。
下手くそで泥臭く、まっすぐな先生に教わったハーモニーが。