もし世界が明日終わっても、私は君との約束だけは忘れない

「二十五日に会おう、梨果」

 暦では春なのに、まだまだ底冷えする三月の末、困り果てたように私にそう告げたのは、幼馴染の上原由季だった。
 いつも当たり前のように、空気のように、私の隣にいた幼馴染。
 その表情を見た時気付いたの。
 私と由季の間には、とても温度差があるってことに。
 由季にとって、私はただの家族。
 私は手の掛かる、大事な弟だった……そう、弟だったの。
 同じ歳で同じ学年なのに、小さい頃から私より小さくて、頼りがなくて、泣き虫だった可愛い男の子。中学生になったら、さすがに泣き虫から卒業したけど、ずっと護ってきたから、私の中では弟のポジションのままだった。
 でも、由季が親の都合で引っ越すと知った時、私はショックで何も出来なくなったの。毎日会っていた由季にも会えなくなった。そして、ずっと部屋に引き籠もって考えてた。
 考えて、考えて、そして気付いたの。
 由季は弟じゃないって。

 由季が隣にいなくなってから、私は彼と約束した二十五日が来るのを、心から楽しみにしていた。

 だけど――

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