まず声の部分ですが、とりあえずお腹から声を出しましょう。
そもそも声が小さいと大幅に減点されます。超有名な学者さんのようによっぽど権威性がある場合でも、声が小さいとそもそも話が全然入ってきません。聞き手の努力が必要になってきます。
ただ別に怒鳴れと言ってるわけではなく、無理に声を張り上げる必要があるわけでもありません。とりあえず教室くらいの大きさの部屋の後ろまで届く声で話せばいいです。
それくらいであれば、基本的には姿勢が9割だと思います。つまり、姿勢を意識するだけで改善しやすくなるのです。
しっかりと背筋を伸ばし、遠くの方に声を届けてやるイメージで話しましょう。目線が下を向いていると声は届きません。
あとはしっかり息を吸ってお腹から声を出しましょう。歌を歌うときのイメージですね。
難しく聞こえたかもしれませんが、声の大きさのハードルは別に高いわけではないので、最低限あればOKです。
不安な方はとりあえず一人カラオケにでも行って歌ってきてください。(たぶん一人カラオケするハードルのほうが高いですが)
最低限の声が出せたら、次に重要なのが抑揚です。
「抑揚をつけましょう」と言われることがあると思いますが、抑揚を因数分解すると、声の「高低差」と「強弱」に分けることができます。
1文の中でも声に高低差があると感情が伝わりますし、音の強弱をつけると、どこを強調して聞いてほしいかがわかります。ただ音の強弱はじつは意識すると難しく、どちらかというとテンポで調整したほうが簡単です。
なので、声の高低差についてだけ話します。高低差があることで話に一気に人間味が出てきます。
とはいえ、具体的にどこを高くするどこを低くすると話しながら意識すると、正直訳がわからなくなりますが、いったん
・話し始めは心持ち高めの声で(あいさつなど)
・楽しさを伝えたいときは少し高く
・重要な部分も高めが印象深い(声も少し張る)
・真剣に思いを届けたいときは少し低く
・そこまで重要でない部分は低めの声であえて印象づけないように
などは覚えておくと役に立つと思います。とくにプレゼンなどは、これを意識して話すだけで熱量が届きやすくなります。
また、声の高い低いは変化が重要です。楽しさを伝えたいからといってずっと高めで話すと気持ち悪い印象を与えてしまうでしょう。抑揚をつけるイメージを持ちつつ、いったん高めに話すことをベースにトークするとあんぱいです。
続きましてテンポですが、話す速さといったほうがわかりやすいかもしれません。ベースの速さはプレゼンなどの場合は緊張などで速くなるので、気持ちゆっくりめが心地いいと思います。
ただここで伝えたい重要なことは、速さというよりも”緩急”です。野球などでチェンジアップなどの遅い球からのまっすぐは球速以上に速く感じると聞いたことがあります。これはトークについても同様のことが言え、とても重要です。
・重要な部分で気持ちゆっくりめに話す
・逆に印象づけなくていい部分はサラッと速めに(さらに先ほどの声の低さも使うと印象に残りづらい)
という感じで、標準のペースに対して場面ごとにコントロールしているかが重要になります。
「話すのが速くてわかりづらい」と言われる方も、意外と大事なところだけゆっくり話すような話し方をすれば「わかりづらい」とまでは言われにくくなると思います。話すのが基本的に速い私が、いつも話すときに意識しているのがこれですね。
ちなみにQuizKnockの仲がいい演者も雑談で「大事なところでゆっくり話すとかは重要だよね~」と言っていたので、前に出る立場の人も少なからず意識していると思います(もはや無意識レベルでやっていると思いますが)。
これはテンポと切り離すかというと難しいところがあるので、若干かぶる部分もあると思って聞いてください。
話すのが苦手な方はわりと間を嫌う傾向があると思っています。私は動画では時間が間延びするのが嫌なため間はカットしていますが、とくに身体の動きも使える直接のプレゼンでは間を重要視しています。
たとえば重要な部分を話したあとに、自身の動きを止めオーディエンスのほうをじっと見つめます。これが”強調”の働きをしてくれます。逆にあまり強調しなくていい部分は間をそこまで開けずにサラッと流すように話していくことが多いです。
あとは重要な部分を話す前などにも間を開けることがあります。スライドを用いたプレゼンでは、以下のように間が活用されます。
「次のことが重要です。それは、(スライドを送る)」「〇〇ということです。(1秒ほど間をとってから)どういうことかというと」
のような形ですね。スライド送り時点の微妙な間で引きつけて、重要なことを言ったあとにもう少し長めの間を設けてより強調するイメージです。書き言葉だと難しいですが、なんとなくイメージできていたら幸いです。
では、最後に今回お伝えしたテクニックをおさらいするため、文字情報という制約はありますが少しでも伝わるように例を出してみます。
〇良い例(抑揚のつけ方は人それぞれなのであくまで一例)
「それでは本日のプレゼンテーションを始めます。(つかみなので少し高めかつゆっくり。耳を傾けてもらうためにやや抑揚はつけて)」
「私(低め)だいふく(高めかつゆっくりめにして強調)と申します」
※中略
「結論を申しますと(少し間)〇〇なんです。(1秒程度の間)もう少し詳しく説明すると……」
〇悪い例
「それでは本日のプレゼンテーションを始めます。(ずっと一定のリズムかつ早口でボソボソ)」
「私だいふくと申します。(聞こえないくらい低い声)」
※中略
「結論を申しますと〇〇なんです。もう少し詳しく説明すると……(抑揚もなく絶え間なく)」
話すのが苦手な方は、声のトーンもテンポも間も一定になっていることが多い気がします。それで聞く側も退屈に感じている可能性があります。
まだ5つの中の3つしか話していませんが、続きは次の連載で解説します。ただ①~③を意識するだけでも大きく変わるので、一度試してみてください。